ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

横浜の現代史としても、関わる人の視点としても、ドヤ街は他人事じゃなく近い存在。「寿町のひとびと」感想。

目立つ黄色い表紙に、地元・横浜のドヤ街の名前を冠した題、「寿町のひとびと」。 寿町のひとびと 作者:山田 清機 発売日: 2020/10/20 メディア: Kindle版 本屋で見て気になっていたら、街で持って歩いている人まで見かけました。またある本屋では、雑誌での…

2020年読書録。ハマった作家、映画きっかけで読んだ印象的な本。

2020年、内心「映画と本を52作品ずつ」(=週に1作ずつ)という目標を掲げ、その結果本は64冊読みました。 過去記事も貼りながら、印象的だった本などをまとめてみたいと思います。 ハマった作家 高野秀行 朝井リョウ 司馬遼太郎「街道をゆく」 シェイクス…

時代も国も超えた旅。1961年の旅行記「何でも見てやろう」感想。

以前何かで知って「いつか読もう」と思っていた、1961年出版の旅行記「何でも見てやろう」を読みました。当時のベストセラーであり、きっと海外旅行など縁遠かった当時はなおさら、いろんな憧れを胸に読む1冊だったのではないかと想像します。 (私が読んだ…

欧米諸国で見た図書館と、映画「パブリック」で見た図書館から考える、今必要な図書館。

先日見た映画「パブリック 図書館の奇跡」では、日本とアメリカにおける図書館の役割の違いをとても感じました。 日本で「図書館」というと、「本があるところ」「本を読んだり借りたりできる」という印象がまず浮かぶと思います。それ以外にも、「飲食禁止…

司馬遼太郎の視点と知識で、韓国を旅してみる。「街道をゆく2 韓のくに紀行」感想録。

特に何を買う気もなく、古本屋をうろついていたら見つけた文庫本、司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズ。 司馬遼太郎の作品は全く未読でしたが、「旅行記も書いてたのか」と気になり、後日シリーズの作品群を調べて、目ぼしいものを図書館で借りてみました。…

「八十日間世界一周」(の解説文)を読んで、SNSとピースボートの船旅に思いをはせる。【感想録②】

先日紹介した小説、「八十日間世界一周」。本編の小説はもちろんのこと、文庫の最後に付随していた解説(by訳者・鈴木啓二)も、面白い指摘をしていて印象的でした。そのことに触れずに終わるのは消化不良な感じがあったので、解説部分の話と、私が思ったこ…

140年前のハラハラドキドキの旅路をともに駆ける!「八十日間世界一周」感想。

ある日ブックオフでめぼしい本を探していたら見つけた、「八十日間世界一周」。1873年にフランスの作家ジュール・ヴェルヌが書いたフィクションです。 八十日間世界一周 (岩波文庫) 作者:ジュール・ヴェルヌ,鈴木 啓二 発売日: 2015/01/22 メディア: Kindle…

今足りないのは「一人ひとりが大切」っていうメッセージだよね。

新型コロナウイルスの影響で、外出自粛を始め、行動の抑制・変容が求められております。政府が企業や国民に対してできる最大限の命令に近いものとも言える「緊急事態宣言」も出されています。 でも実際、どれくらい伝わってるんだろうか?効果があるんだろう…

自己流読書&記録の方法。Microsoft・Google・Appleを活用してデジタルに。

大学に入る直前頃から新書や専門書の類を読み始め、それと同時に、読んで学んだことをどう記録しておくか?を常に考え工夫してきました。何もしないでいると、読んだということ自体も、その内容も靄がかかったようにわからなくなっていくので…。 試行錯誤も…

脳に、社会に太らされる現代の食生活の仕組みと対策がわかる本。「果糖中毒」から学んだこと。

先日、あるブログでの紹介を読んで興味を持った本、「果糖中毒」。データや論文、ホルモンの仕組みなどに基づいた詳しい説明と、読みやすい文体や例えのおかげで、大いに学びがありました。 果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか? 作者:…

読み応え最強。これまで個人的に影響を受けた本5選。

この1週間ほど、これまで見てきた映画や読んできた本の記録をまとめて一覧表を作っていました。そして、ほぼ完成した表を眺めていて、「これすごかったな〜」と思う本がいくつかありました。 後々のものの考え方・価値観にもそれなりに影響を及ぼしていると…

「世界は背景にすぎない」不思議な世界一周。【「希望難民ご一行様」読書録②】

昨日の記事に続いて、「希望難民ご一行様」を読んで思ったことを。特に、共感してしまった点をあげたいと思います。 mizukifukui.hatenablog.com 「世界」は「背景」に過ぎない 帰国後の感覚 何のヒントもなく放り出される「クソゲー」の理不尽さ

ピースボート乗船経験者、3年半越しに「希望難民ご一行様」を読んでみた。【前編】

2016年8月〜11月に「ピースボート」で地球一周の船旅をして、3年半ほど経ちました。 mizukifukui.hatenablog.com 帰国・下船してしばらくは、ピースボートコミュニティの雰囲気をいろんな側面で引きずっていたけれど、最近はほとんど忘れ去っていました。 で…

朝井リョウ作品の「後味の悪さ」に、それを生み出すヘドロを持った自分の心が映る。

先日出版された、小説家・朝井リョウの新刊「発注いただきました!」を読みました。 発注いただきました! 作者:朝井 リョウ 発売日: 2020/03/05 メディア: 単行本 デビュー10周年という記念すべきタイミングもあり、これまで企業などから依頼を受けて執筆し…

“辺境作家”高野秀行氏のノンフィクションが面白すぎる!これまで読んだ11冊まとめ&おすすめ。

ライター・ヨッピー氏のこのツイート↓で、ノンフィクション作家・高野秀行氏を知りました。 何度も言いますが、高野秀行さんの本は本当に死ぬほど面白いので皆さん読んでください。「アヘン王国潜入記」は流石に皆さん全員読んだと思うので、次は「西南シル…

「謎の独立国家ソマリランド」を読んで、アフリカの角・ソマリから学んだこと。

知り合いが昔話題にしていて聞いたことがあった、「ソマリランド」。当時はよくわからず「ソマリアなら知ってるけど」と聞き流していたけれど、きっとこの本のことを言ってたんだなあと5年以上経ってわかりました。 その本が、ノンフィクションライター・高…

副業が自分も会社も救う? “日本の外国”を追体験できる、「アジア新聞屋台村」読書録。

冒険譚で知られるライター、高野秀行氏の「アジア新聞屋台村」という本を読みました。この作品は、東京・新大久保に事務所を構える、アジア諸国のスタッフが在籍する不思議な会社に関わることになった著者の経験をもとに書かれています。 ※↓こちらは文庫版。…

結婚、インドの慣習、家族の死…環境に振り回されながらも幸せを掴むインドの少女。小説「家なき鳥」感想。

インドの少女が13歳で結婚させられ、そこから巻き起こる物語を描いた小説「家なき鳥」を読みました。インドが舞台になった小説はおそらく初めて読んだのですが、主人公と同世代のティーン向けの作品でもあると思うので読みやすかったです。 あらすじや感想を…

1912年のアメリカに、今もある普遍的な課題を見る。小説「パンとバラ」感想。

先日久々に読んだ小説に続いて、親から借りた似たテーマの小説を読みました。それがこちら、「パンとバラ」。 パンとバラ: ローザとジェイクの物語 作者: キャサリンパターソン,Katherine Paterson,岡本浜江 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 2012/08/27 メ…

10代の兄妹とともに、戦時中の5年間を駆け抜ける。小説「木槿の咲く庭」感想。

先日、久々に小説を読みました。 母が読書家なので、たまに何か読みたいときは母に頼んで何冊か選んでもらい、借ります。そうして借りておいて、すぐ読む気にはならずしばらく放置していた本があり、久々に何か読みたい気分になったので見てみました。その数…

想像力の余白という、心地よさと自由。【読書録:深夜特急 第2便】

最近時々地元の図書館に足を運ぶようになった。気に入っている雑誌のバックナンバーを借りに行ったり、ほかの本を借りてみたり。 (2年ほど前から愛読している「ソトコト」。最近はお金と置き場所の節約のため図書館で済ませるようになってきた、、)