外国人旅行客としてはそこまで活用できない?韓国旅行のキャッシュレス決済の結果。
先月の韓国旅行で楽しみにしていた点の1つが、実は「キャッシュレス決済」でした。韓国はキャッシュレス決済がデータによっては95%以上と、日本の4〜5倍。
参考:拡大・多様化するキャッシュレス決済(韓国) | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ
私は普段の決済もできるだけキャッシュレス決済を使うようにしていますが、チェーン店でない個人の店では現金以外使えないことも多く、徹底はできません。その分韓国では結構カード決済が普及しているようなので、あまり現金を使わずに過ごそうと目論んでいました。実際どうだったのか振り返ってみたいと思います。
韓国で使った決済手段
クレジットカード
私がメインで使っているクレジットカードは、P-oneカード(Standard)で、ブランドはMasterCardです。サブで、大学が連携して発行しているカード(ブランド:Visa)を持っていますが、使いませんでした。
現金
現金しか使えないとき用としての現金は、両替所・銀行で両替。韓国で両替する方がレートが良いということで、細かめの日本円(1000円札や5000円札多め)を持って行って適宜両替しました。
クレジットカードのキャッシングなら、帰国してすぐ借りた分を返せば安上がりで、いろんなATMで現金を得られて良いようですが、多分契約の時の条件的に私はキャッシングは使えませんでした。
支払いの場面と使えた手段
では、支払いの場面ごとに、キャッシュレス決済ができたかどうかなどを振り返り、評価してみたいと思います。
ゲストハウス:△
今回泊まったのは3都市5ヶ所の宿。うち4ヶ所はドミトリー形式のゲストハウスで、1ヶ所は韓屋(ハノク)と呼ばれる古民家を改装した宿の1人部屋。そんな宿泊代の決済手段は以下の通りでした。
- 事前決済(クレジットカード):2ヶ所
- 当日決済 クレジットカード:1ヶ所
- 当日決済 現金:2ヶ所
なんとも微妙な結果になりました。笑 旅行代のうち、宿泊代は結構な比重を占めるので、できればカード等で済ませたいところです。「全体の90%以上もキャッシュレス決済なら宿はカードでいけるだろう」と思っていましたが、安宿なのもあってか、現金のみが1件・カード決済だと5%手数料取るというところが1件ありました。
客からカード決済の手数料を取るのは規約的にだめだと思うのですが、実際時々ありますよね。宿側からしたら手数料の数%が大きいのはわかりますが。カード決済が普及しているなら手数料も安くなったらいいんですけどね。
期待はずれだったので、評価は△にしておきます。
交通費:◯
高速バス:◯
都市間移動で使った高速バスについては、釜山・ソウルで窓口でチケットを買った時は使えました。しかし、いかにも新しそうな、大きい画面付きの自動販売機では、おそらく海外発行のカードを受け付けてくれず、エラー表示に。
また光州では、窓口は大行列で、自販機はたくさんあるのに使っている人はそんな多くないという状況だったので、自販機で現金で済ませてしまいました。しかし、また後でも書きますが地方だと海外のカードはあまり使えなさそうなので、窓口に行っていてもカード決済できたかは微妙です。
地下鉄、路線バス(T-money):△
各都市の地下鉄や路線バスでは、チャージ式の電子マネーT-moneyを使いました。
こちらは、どうやら韓国内の人はクレカ等を登録してアプリでチャージできるようですが、外国からの旅行客としては駅の機械やコンビニで現金でチャージするしかありませんでした。日本のSuicaも同じ状況かと思います。
ソウルや釜山では駅の機械で日本語表示にして使えたので良かったのですが、光州では機械が古く、韓国語でアナウンスがあるだけで何をしたらいいかわからず使えませんでした。
電子マネー自体はキャッシュレスの手段と言えます。しかしチャージで現金を介さなければならず、チャージ額を余らせたくないのでこまめに少額をチャージして使ったため、現金決済とほぼ同じ感覚でした。現金を介さなければいけないのは面倒さもありつつ、小銭を消費するのには助かりました。
飲食店:◎
チェーンぽい店でカードが使えるのはもちろん、個人経営と思われるカフェなどでもカード決済ができ、とても便利でした。飲食に関してカードで払えなかったのは、屋台くらいです。
韓国キャッシュレス決済の注意点
地方では△
今回の旅では、主な都市としては釜山・光州・ソウルに行きました。釜山とソウルでは、カード決済ができるところでは問題なく自分のカードも使えました。しかし光州の飲食店や、田舎町コチャンのバスや博物館では、カードで払おうとして機械に通してもらっても決済できないことがありました。考えられる要因としては、海外発行のカードだからかと。
地方都市に行く時には、事前に両替しておくと良いと思います。
セールでは△
ちょうど夏服のセールの時期に行ったので、服を見たり買ったりもしました。しかし、決済方法には制限が。セールの一番安い価格が適用されるのは現金支払いだったり(現金だと50%オフ、カードだと25%オフみたいな)、10万ウォン(約1万円)以下の買い物は現金支払いのみだったり。しかもそれが暗黙のルールなようで、レジで困惑したことも。旅行の後半では現金の手持ちが少なく、買うのを諦めた服もありました。
服のセールはかなり安くてお得ですが、買い物をしたいなら現金が必要そうです。
現金を使った場面
現金を使ったのは、
- 屋台
- T-moneyカードチャージ
- チムヂルバン内でのサービス料(アカスリとか。やってもらうおばさんに直接払う)
- 板門店ツアー代(普通はクレジットカードで決済できると思います。なぜ現金払いだったのか…申し込みが直前だったから?プラン的に?)
- カード払いできなかった一部の宿泊・バス・飲食代
と言ったところ。
現金・カード払いのレートの違い
現金は行った都市で少しずつ両替しましたが、平均するとウォン→円0.0925くらいのレートで両替できました。ウォンの額の10分の1より少し少ないくらいですね。一方、カード決済のレートは平均0.094前後だったので、思ったほど大差ないと思いました。1万円を両替すると150円差が出るくらいです。(私が行った2019年7月中旬時点。今は情勢的にもっと円高ウォン安になってますね…)
釜山やソウルにはレートの良い両替所があるので、そういう場所で両替できれば、手数料で大きく損することはなさそうです。でも全ての支払いを現金で済ませるのと比べれば、クレジットカードをより使った方が節約になります。スリ対策や、両替した現金を多く余らせてしまうこと、逆に足りなくなったら両替できる場所を探さなければいけないことを考えると、海外旅行でクレジットカードはとても便利です。今回の旅ではカードの不正利用などもなかったし、現金を持ち歩くよりは安心できます。
今回の旅のキャッシュレス比率:43%
現地での出費と支払い方法の内訳は、こんな感じになりました↓ クレジットカードも現金も、のちに全て円に換算した結果です。
現金 | カード | |
---|---|---|
交通費 | 5214 | 3772 |
食費 | 884 | 8521 |
宿泊 | 9858 | 6674 |
施設入館料 | 279 | 1485 |
お土産 | 0 | 586 |
その他 | 12834 | 929 |
計 | 29069(57%) | 21967(43%) |
出費の額に基づくと、比率は現金57%・クレジットカード43%という結果になりました。すなわち、キャッシュレスの比率は43%。ツアー代が現金払いだったのがかなり響いています。でもツアー代(“その他”に計上)がカードで払えたとしても、体感としては「外国人旅行客としては、そこまでキャッシュレスを活用できない」と思いました。
しかし興味深かったのは、飲食店へのカード決済の普及っぷり。大規模なチェーン店にはそれほど行っておらず、良い感じのカフェなどによく行きましたが、ほぼ全てカードで払えました。日本だとキャッシュレス生活のネックになる飲食店での決済が、ほぼ現金なしでできたのは良かったです。ただ逆に、基本キャッシュレスで済ませたい宿泊代やツアー代が一部現金のみだったのは残念でした。
韓国でキャッシュレス化が進んでいることは確かですが、その高い割合は決済額ベースのはず。その分、「お金を使う場面のほとんどでキャッシュレス決済」というわけではないなと思いました。旅行者としてはもう少しクレジットカードが使えた方が便利かなと思います。
ちなみに、旅の最後に手元に残った現金は約4000ウォンでした。服の購入を諦めたりもありましたが、うまくやりくりできたと思います。
旅行者の観点から、韓国のキャッシュレス事情を見てみました。また違う、キャッシュレス決済の進んでいる国(北欧とか)に行って比較してみたいです。
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