ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

「リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」で、200年の時を超えても鮮やかな陶板の絵に驚く。

先日、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されている展示会「ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」に行ってきました。

特に興味があるわけではなく、株主優待のチケットが手元にあったので用事のついでに行ってみたというくらいだったのですが、十分楽しめました。

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リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」とは

www.bunkamura.co.jp

リヒテンシュタイン公国は、スイスとオーストリアに挟まれた小さな国。世界で唯一、侯爵家の家名が国名になっている国だそう。リヒテンシュタイン家が代々収集してきた美術品が、今回日本各地で展示されます。

展示されているものは、大きく分けて2種類だと思いました。

  1. 絵画:宗教画、風景画など
  2. 陶磁器:中国や日本から輸入した陶器、ウィーンの窯で作られた陶器など

このうち私が特に驚いたのは、上の2種類の要素が合わさったものといえる、陶板の絵画作品でした。

 

180年前の絵が、つい最近のもののよう。

ヨーロッパで陶磁器が有名になったのは、まず中国、そして日本の輸入品がきっかけでした。当時輸入した後、ヨーロッパ風の金具をつけたりした“和洋折衷”的な陶磁器の展示も色々ありました。

のちにウィーンにも窯ができ、東洋のものとはまた違った絵や作品になっていきます。陶磁器に用いる絵の具がヨーロッパと東洋とで違うらしく、東洋のものは焼かないと実際の色がわからないのに対して、ヨーロッパで使われた絵の具は焼く前から発色しているので細かく描けたそう。

発色も違うので、東洋のものは水彩画のような趣きになるのに対して、ヨーロッパのものは油絵のようにはっきりした絵が描けていると思いました。

そんな当時の、陶板の絵画の一つがこちら。(写真OKのエリアの展示でした)

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これ、1838年の作品なんです。約180年前。本当に、最近の技術でプリントされたかのように感じられる、色の鮮やかさでした。できる限り近寄ってみても本当に緻密で、手描きなはずだけど信じられないくらい。

きっと、ここまで当時の色合いを留められるのも陶磁器ならでは。

また、カップのセットやお皿に花の絵が描かれたものもいくつか展示がありました。

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1805年製のお皿。

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1804年頃作られたカップと受皿。

これが一つひとつ描かれた絵であること・約200年前のものであることと、写真&プリント並みにリアルで鮮やかすぎる作品が結びつかなくて、「はあ??」と思いながら鑑賞しました。笑 それほどに、もはや理解が及ばないし、「意味がわからない」と何度も思いました。「こんなに時を超えるものがあるんだな」と、心底驚きました。

200年経ってても今作られたように見えるって、ある意味「不自然」「人工物の極み」とも言えるかもしれません。時を経てきたようには見えなくて、保存状態も良いから、アンティークならではの“味”もない。経年変化を楽しむようなものではないのです。

ある意味、自然も人の手で開拓・管理しようとする西洋的な考えが表れているのかもなと考えさせられました。

花を絵のモチーフにしているということ自体近代的事象なようではありますが(それまでは人物や宗教に関するものが主だった)、いつかは枯れゆく花の姿を絵に留め、ずっと楽しむということも、考えてみれば不思議でもあり、でも絵が背負う当然の役割なのかもしれません。現代に通じる「絵画観」が体現されているという点も、「今のもののようにしか見えない」一因になっているかも。そんな、絵画・芸術の変遷も垣間見れる展示でした。

 

久々にヨーロッパの美術品に触れて、キリスト教の考え方やヨーロッパの歴史を久々に振り返ったりもして、良い刺激になりました。

私が行ったのは金曜日の夜18〜19時頃。金曜・土曜は21時まであいています。それほど混んでおらずゆっくり見れました。渋谷の中心部でやっていてアクセスしやすいと思うので、気になる方や近くに行くことがある方はチェックしてみてください。

www.bunkamura.co.jp

 

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