ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

「黄金町バザール2019」で、地域を再発見。「アート×町おこし」がちょっとわかった。

先日、芸術祭「あいちトリエンナーレ」に行って以来、現代アートにも関心を持つようになった私。ちょうど地元・横浜市内で開催されていた芸術祭「黄金町バザール2019」に行ってきました。

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京急線黄金町(こがねちょう)駅〜日ノ出町駅付近で開催されたイベント。この地域はある経緯から「治安が悪い」「夜は行きたくない」みたいなイメージが持たれがちです。しかし最近は「クリーン」な街を目指して街おこしがされていて、黄金町バザールもその一環です。

そんな地域のことや、今回のイベントの内容や感想を書いてみたいと思います。

 

黄金町バザールとは:違法風俗店が並んだ場所から、アートで町おこし

イベントの概要は大体こんな感じ。

  • 9/20〜11/4まで開催
  • 主催:黄金町エリアマネジメントセンター、初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会
  • 8ヶ国15組のアーティストが、滞在制作で新作を発表、アーティストインレジデンスに参加しているアーティストの作品紹介など

詳しくはHPで。

www.koganecho.net

かつて、黄金町バザールが開催された地域は、飲食店を装いながら2階で売春するという、「ちょんの間」と呼ばれた特殊飲食店が並んでいたそう。その建物は今でも残っていて、今はアーティストが居住しながら制作をするアーティストインレジデンスの取り組みがされていたり、小さなバーなどが入居したりしています。

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「ちょんの間」だった建物たち。間口の狭さが独特です。

町の歴史や黄金町バザール開催の経緯は、こちらの記事の後半が詳しいです。hamarepo.com

↓この記事を読むと、当時は今でいう、オランダ・アムステルダムで有名な「飾り窓」の風俗街みたいな感じだったようです。すごいディープな雰囲気…hamarepo.com

私は当時のことは知らないですが、「黄金町は治安が悪い」という話を聞くことはあったし、今でも風俗店やラブホテルが多い地域ではあるので少しは想像がつく、という感じです。

そして2005年、これまで違法ではありながら黙認されてもいた特殊飲食店を警察が一斉摘発。町おこしとして、アートを介した取り組みが多く行われています。その一環として、この「黄金町バザール」は2008年から毎年開催されています。

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展示の場所をまとめた地図。

また、京急線の高架下を生かした活動も盛んです。アート関係の工房やスタジオもあるし、目の前の大岡川でSUP体験もできるホステル&レストラン「Tiny’s」が数年前開業したりもしています。

 

「なんかある/してるけど入りにくい」ところに入るチャンスになった

こういう経緯はなんとなく見聞きしつつも、私はこれまで、今の取り組みに触れてきませんでした。近くを通っても、「なんかある」と思うだけ。触れるきっかけもなかったです。

今回黄金町バザールのおかげで、街のいろんな建物の展示を見に行くことで、「こんな感じだったんだ」「こんな場所があったんだ」と知ることができました。

一方で、普段の「興味がある人以外は入りにくい雰囲気」というのは風俗でも現代アートでも変わらない気もしました。上記の「はまれぽ」の記事へのコメントを読むと、「クリーンにはなったかもしれないけど、行き交う人は減った」という意見もあるし、実際普段はひっそりしている印象です。閑静になったとも言えるし、賑わいが減ったとも言える。難しいですが、「異様さ」がなくなっただろうということを考えると、歩きやすくなってよかったのかなあとは思います。

 

よくこんなとこでこれを…ってくらい、ボロアパートとかでやってる

街のいろんな建物を舞台に展示がされているのですが、普通に見たら「ただのボロいアパート」というようなところでも、いくつか展示がありました。

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そこをアートとして取り上げるというのも意外だったし、そこをどう生かすかという視点で制作をしているようなアーティストの方もいるようで、クリエイティブだなと思いました。

地元の人・住んでいる人からしたら「こんなところで?」と思うような場所でもこういうことができるというのは、外からきた人の視点であったり、アーティストとしての視点があるからこそなのかな。

 

町歩きを通して、新しい風景の発見もあった

展示に関係なくても、町歩きをすることで「こんな景色が見れる場所があったとは」という発見もありました。

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「東ヶ丘アパート」への道すがら。日ノ出町駅のトンネルの上を通れるとは。

先月行った「あいちトリエンナーレ」は、私にとっては「旅先」。名古屋市内をちゃんと巡るのも初めてだったので、あらゆるものが新鮮でした。しかし今回は地元。街自体に新鮮味は見出せないながらも、こうしてじっくり町歩きをするのは初めてだったので、新たな発見があるのは嬉しかったです。良い機会になりました。

また、地元の協力店舗で使えるクーポンがチケットについていたというのも、地域との関わりとして面白いと思いました。パンフレットにお店も紹介されていて、「こんなお店があるんだ」という発見にもなりました。実際にクーポンを生かして、前からなんとなく知っていたお店に行ってみたりもしました。

 

「アート×町おこし」が少し理解できた気がする

これまでは、地方で開催される芸術祭などの良さや理由があまりよくわかりませんでした。「アーティストインレジデンス」とかも、聞いたことはあるけどちゃんとは知らなかったり。

今回黄金町バザールを通して、そしてキュレーターの方が案内してくれるガイドツアーにも参加して、実際アトリエで制作をしているアーティストの方に会ったり、なんとなく取り組みの姿が見えたりして、前よりはイメージがつきました。

まだ説明できるほどでもないし、こういった活動のメリット・デメリットなどもう少し詳しく知りたくもなっていますが、「こういうことか〜」と腑に落ちた感じもあります。

なので個人的には、アートそのものより、地域との関わりや町おこしの取り組みとして楽しめるイベントでした。

今回はこんなところで。また作品の感想とかも、書いてみようと思います。

 

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