ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

風景画に心洗われるも、わからなさも残った。「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展@横浜美術館。

「あいちトリエンナーレ」に行ったのをきっかけに、色々とアート関係のことにも興味を持ち始めたこの数ヶ月。「地元にある美術館にも行ってみたいなあ」と思っていました。

すると横浜美術館で、ルノワールなど印象派の絵などが企画展として来ていると知り、「なんか珍しいのが来ているみたいだから、せっかくだし行ってみよう」ということで行って来ました。

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企画展「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」とは

今回、パリにあるオランジュリー美術館が改修工事をすることもあって実現したという企画展。

ナポレオンの時代にオレンジ(=フランス語でオランジュリー)を育てるための温室だったところを、印象派の画家として有名なクロード・モネが美術館にしたいと購入し、彼の没後に実現した「オランジュリー美術館」。

そこにある、有名な画商ポール・ギヨームが築いた印象派やエコール・ド・パリのコレクションの一部(19世紀後半〜20世紀初頭に描かれた絵たち。日本は明治時代)が、今回来日し展示されています。企画展のタイトルにはルノワールの名がついていますが、ルノワールの作品ばかりでなく、どの作家も何点かずつ楽しむことができます。

横浜美術館で、1/13まで開催されています。

artexhibition.jp

ちなみに、当時の美術界を小説でよく描く作家・原田マハの作品を読んでいると、今回来ている画家たちや時代の背景も少し詳しくなれるかも。紹介しておきます。

 

印象に残ったこと

では、印象的だった作品や、思ったことを書いてみます。

※作品の話になるので、パンフレットの写真を参考に貼っておきます。

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クロード・モネアルフレッド・シスレーの風景画

展示は画家ごとに並んでいるのですが、最初にあるモネとシスレーの風景画が素敵でした。私としては、シスレーのものがお気に入りです。

アトリエにこもっていないで、外に出よう、絵に光を取り入れよう、とした「印象派」。その象徴とも言えるような絵でした。絵の中で広がる空や風景は、温度感や空気を感じさせるものでした。都市部で暮らしていると、こういう無心になれる景色はなかなかないけれど、絵でも無心に近い感覚になり、なんだか懐かしいような気持ちにもなりました。

 

美術の教科書の表紙だった、ルノワールのあの作品

今回の企画展のポスターなどで大きく扱われている、ルノワール「ピアノを弾く少女たち」。これ、中学の時の美術の教科書の表紙だったので、「おお、これが来てるんだ!」と思って惹かれました。

展示を見る前に、ちょうどあった学芸員の方のミニレクチャーなるものを聞いて知ったのですが、この作品は他にもいくつかバージョン違いのものがあるとのこと。当時画家としては栄誉であった、フランス国立の「リュクサンブール美術館」に飾る絵を頼まれてルノワールが制作した作品で、今他の作品はオルセー美術館メトロポリタン美術館にあるそうです。全然知らなかった。

レクチャーで絵の写真を見比べてみると、描いている主題や構図はほぼ同じだけれど、背景の細かさや全体的な明るさなどに違いがありました。オランジュリー美術館のものが、一番明るくて、背景はほぼなく、少女たちに集中できる感じでした。

でも実物を見てみると、そこの照明の具合でもあるでしょうが、「思ったより明るくない」「意外と暗い」とも思いました。

 

風景画以外の良さはいまいちわからず…

上記の、風景画は「うわあ、素敵」と心底思ったのですが、他の作品は「?」という感じでした…まだ、フランス現地で見れば違った見方ができたかもしれないけど…。

旧態依然とした絵画界に新風が吹いた、という歴史上の流れは理解できるし、当時にしては新しくて驚きだったろうな〜とは思います。しかし、人の顔をあえて形を崩したりして描いているのは、綺麗ではないし、だからと言って「何を表現しているのか」「なぜこう描いたのか」とかまで思いを巡らすようなものでもない感じがして。「変わったアプローチをしたい」というだけで。

 

個人的に、横浜美術館コレクション展の方が面白かった

横浜美術館のコレクション展も同時に開催されていて、企画展を見た後そのまま見られるような順路が組まれています。

企画展の絵画が描かれた時代は、日本でも欧米の文化が入ってきていた時代。そんな時代以降のコレクションが、「東西交流160年の諸相」というテーマのもと、10部に分かれて沢山展示されていました。

yokohama.art.museum

企画展と連動したコレクション展というのも面白いなと思ったし、テーマも私がとても好きなもので、見応えがありました。個人的に、企画展よりも楽しかったくらい。

この展示についてはまた書きます。

 

混み具合

学芸員の方のミニレクチャー後に見始めたからか、平日の15:30すぎでしたが「意外と混んでる」という印象でした。でも企画展を見終わった16時過ぎには少し落ち着いていたと思います。

20時まで開館している金曜日でしたが、コレクション展も存分に見終わった18時前くらいにはほとんどガラガラになっていました。

これから冬休みや年末年始で混むかもしれませんが、参考までに。

 

展示の仕方にもうちょっと余裕あった方が映えそうと思ったり、現地で見たら印象違いそうとは思いつつも、それなりに勉強にはなりました。特に、原田マハ作品で読んでいた画家の作品は「これがあの人なのね」と思ったり。横浜美術館には、また行きたいと思いました。

 

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