ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

「草木が空に向かって伸びていくように、魂も成長したがっている」。“西の魔女”がくれた、「成長」の捉え方。

先日、先代のiPhone上にだけデータが残っていた、数年前に書いていた映画の感想を移しまして、その頃見た映画やその感想が詳しくわかるようになりました。そこで久々に“再会”して思い出した言葉を一つ、ここにも残しておこうと思います。

映画「西の魔女が死んだ。2001年の梨木香歩の小説が、2008年に映画化されてできた作品です。私は小説の方を中学生の頃読んだことがあり、映画は2015年にAmazon primeで見たようです。


映画「西の魔女が死んだ」劇場予告

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

小説に忠実なのか、映画は結構台詞がわざとらしくて、演技の不自然さなどは気になりました。それでも、当時の自分の疑問を晴らす言葉がありました。

それは、「草木が空に向かって伸びていくように、魂も成長したがっている」というような、“西の魔女”たるおばあちゃんの言葉。(うろ覚えだし、小説の方にもある言葉なのかもしれませんが、覚えていません…。) 

 

「成長したい」ということに違和感があった頃。

当時、周囲がインターンに応募したり就活に取り組んだりするのを横目で見ていて、その手の情報に触れると、「圧倒的成長!」などの言葉で「成長できる環境」であることを推している募集が結構あって、私は違和感を覚えました。

こういう文言はきっと、「成長したい就活生」の存在があるから、そんな人に訴求するためのものですよね。でも私は素朴に、「なんで成長を求めるのか&求められるのか」ということが、腑に落ちていませんでした。そして、その熱量についていけない感覚があって、「成長」を追い立てられるようでなんだか嫌でした。

目標などがあって、自分から積極的に「成長したい」と思っているなら良い。だけど、こういう募集が溢れるせいで闇雲に「成長しなきゃいけない」と思わされ踊らされているような人も多いんじゃないかと思ったし、実際私もそう思いかけました。

でも、理由や背景がわからないこと、納得していないことをしたくない(できない)タイプの私は、疑問が拭えなくて周囲の“就活”の流れに乗れませんでした。良くも悪くも「このままでいいじゃん」というか、「自然に、ありのままで居たい」という感覚の方が強かったです。 

だけど、“西の魔女”のこの言葉を聞いて、「皆が成長を望むのは、自然なことなんだ」と腑に落ちたのです。生き物すべてにとって普遍的なことなんだなと、感覚で納得できた気がしました。

 

「こうなりたい」より「こうありたい」

そしてきっと、私が考える、就活などでの文脈の「成長」と、私がしたい「成長」がマッチしてないから、違和感があったのかなあとも思います。「将来像の描き方」の違いとも言えます。

私は「成長」と聞くと、その意味合いとして「できることが増えること」を思い浮かべます。だけど私は「自分ができることを増やす→こうなりたい」というより、「こうありたい」もしくは「こうだったらいいな」ということを将来像として思い浮かべることが多いです。それは例えば、家族のあり方や人間関係、暮らし方。もしくは、より良い社会のあり方など。

だからそもそも、「就活で求められる類の成長=スキルアップ」と「私が思う成長」がずれていたのではないかと思います。というか、就活における“成長”には違和感がありつつも、「私にとっての“成長”」が何なのか、今もわからないままなのかも

今考えてみると、「“生き延びる”ために必要なことを身につける(=Survive)」ということかなとは思うけど、具体的に定義するにはもうちょっと考えたいところ。

 

理想主義の“穴”にはまってしまっている。

「こうなりたい」と「こうありたい」の違い。これは人による考え方の違い・個性とも言えそうですが、最近の私の場合、「こうありたい」という思いは「デメリット・弱み」だとも感じています。

理想主義的なところがあるので、理想の状態を妄想するのは昔から好き。だけど、その状態にどうやって至ればいいのか具体的に考えることは苦手だし、実際その実践が上手くいったことがあまりない。だから、これまでの挫折経験から、「夢や理想を現実にしようとするのは怖い」という感覚があります。「妄想だけで良い」みたいな。

「成長したい」「こうなりたい」と考え方は、理想に至る過程も含めて求めているけれど、「こうありたい」という考え方は、過程はすっぱ抜いて理想の状態のみを求めているような気がしています。

そして最近はさらに進んで、「理想を思い描くことさえ疲れた。どうせ叶わなくて落胆するから」という感覚になっています。自分の力を信じられなくて、目指すものに向かう力が湧いてこない状態です。なんかスレちゃったというか、「“大人”になっちまったなぁ」と思っていますが、あまり良いことではないですよね。

 

草木と同じようにきっと自分の中にもある、「成長したがっている自分」をもう一度探してみたい。そして「私にとっての“成長”」を今一度考えたい。久々に再会した“西の魔女”の金言を、5年越しに改めて噛み締めています。また小説読み直そうかな。

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

  • 作者:梨木 香歩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/08/01
  • メディア: 文庫