ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

横浜地裁の裁判傍聴に行ってみた。流れや中身をレポート。

前からなんとなく興味があって、でも行けていなかった「裁判傍聴」。ふと思い出して調べてみたら、ちょうどいいタイミングで行けそうだったので行ってみました。

裁判や法律やらは別に詳しくないですが、経験としてもよかったし、考えさせられることもありました。横浜地裁での裁判傍聴をレポートします。

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傍聴までの流れ

裁判をやっていれば普通に入って傍聴できるようですが(詳しくはこちら:裁判所|見学・傍聴案内 傍聴の手引)、ネット上で日々の裁判の全予定が載っている訳ではないし、初心者にはなかなかハードルが高いです…。

傍聴券(整理券)が出る裁判の日時はHPにあったので(傍聴券交付情報)、これなら確実だし人もそれなりに集まるから行きやすいだろうと思い、そのうちの1件を狙って行ってみました。

傍聴券の抽選がある集合時間(裁判開始の30分前)の10分ほど前に裁判所に到着。それなりに立派な正面玄関を堂々と入ります。(ちょうどお昼時で、働いてる方たちの出入りもあって入りやすくて助かりました…)

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※裁判所内は撮影禁止なので、これ以降写真はないです。

入るとすぐ、荷物検査があるのでそれを通ります。それを抜けたところがちょっとした玄関ホールになっていて、ベンチのようなものもありました。古めかしい正面玄関とはうって変わって、吹き抜けや天窓があって、普通に現代的で綺麗でした。

玄関から左手に、傍聴券のための列が作られていたので、並びます。前には7人ほど並んでいました。集合時刻になったら人数がカウントされ、今回は抽選ではなく並んだ人全員に傍聴券が配られました。そのまま、荷物を預けるため空いている法廷へ誘導されます。

持ち込めるのは、財布などの貴重品と、ノート・ペンなどの筆記用具。カバン類やスマホを始めとする他の荷物は預けました。上着は着たりしていても大丈夫。金属探知機での検査もありました。トイレなどで出ると再検査ということで、事前に行っておくと良さそう。

そこで15分ほど待ち、裁判が始まる直前に法廷に移動。順番に、座りたい席に座っていきます。(白いカバー等があるところは座れません)

法廷の中は、透明な衝立で傍聴席が仕切られていましたが(どうやらこれは珍しいケースなよう)、テレビ等で見るやつそのものでした。傍聴席が50人分弱ある法廷でした。

 

裁判の流れ

何も知らないまま傍聴に行きましたが、見られたのは「新件」と「判決」1件ずつ。初めての傍聴にはぴったりでした。その流れを紹介します。

新件

入ると、弁護人・検察官・裁判官などが法廷に揃っており、開廷時刻になると被告人が入廷してきます。縄で腰や手を縛られているのは本当文字通り「お縄」って感じでした。

新件では検察官が罪状の文章を読み上げたりするので、どういう経緯があったのか理解できてよかったです。

そのあとは、検察官から証拠の提出があったり、弁護人・検察官・裁判官から被告人・証人へそれぞれ質問をしたりする流れでした。

予定では2時間となっていましたが、1時間半ほどで終わりました。

 

判決

そのあとも整理券配布の裁判があったので行ってみたところ、ニュースで見た覚えのある事件の判決でした。

判決は、「懲役〜年」などを言い渡して、その判決の理由などを裁判官が読み上げて、ほぼ終了。10分ほどで終わりました。

 

一日で行われている裁判

その日の裁判の一覧は、裁判所のホール内に掲示されています。行った日の場合は、

・審理

  • 10:00〜17:00(裁判員裁判
  • 10:00〜10:30
  • 10:00〜11:30
  • 10:00〜12:00
  • 11:30〜12:00
  • 13:30〜16:00

・判決(どれも開始時刻。おそらく短時間で終わります)

10:00/11:00/11:30/13:20/14:00/15:30/16:00

・新件

  • 13:00〜15:00

という具合でした。これだけ裁判があって、整理券配布がある方がレアケースなので、なんでもない時に行っても何かしら見れそうです。

 

新件の傍聴の中身・感想

私が最初に傍聴したのは、児童扶養手当の不正受給という「詐欺」についての裁判でした。被告人は夫婦。書類上は離婚したそうですが、同居で生計を共にするというのはその後も変わっていなかったようなので、「事実婚」と言えます。

しかし夫の収入が安定せず(ヤクザらしいです)、生活の苦しさから、その「書類上の離婚」を利用。夫の住所を書類上移した上で、一人親で収入が低いorない場合に給付される児童扶養手当自治体のもの。計63万円ちょっと)を申請し受け取ったようです。

夫が暴力団関係者であること、両人とも前科がある(道交法、覚醒剤など)ということで立件されたようです。

そんな裁判を聞いての感想をいくつか書いてみます。

 

しんどい状況ではある

二人とも中卒で、かつ子どもに持病があって看病が必要なこと、当時妻は妊娠中で働けなかったことなど、社会的・経済的にしんどい状況だなと思いました。ただ、住所を移したりするのは完全に企図の上だしダメではあります。

不正受給しなくても、他に受けられる支援はあったはず。でも夫がヤクザだとそういう支援を求めるのもまずいのかな。本人も行政なども、何かできなかったのかな〜と考えさせられました。

 

妻の言葉にグッときた

被告人夫婦の裁判での話し方は対照的で、妻の話し方はとてもハキハキしていました。

そして、はっきりした意思のある口調で「子どものことを考えてやったことだったけれど、結果として苦しめている。後悔しています」「逮捕後子どもに会えなくなって、面会で会えた時に、本当に考え方が変わりました」「普通に、暮らしたい」ということを話していてグッときてしまいました。あれは演技ではないと思うな〜。子どもの存在がきっと大きいんだろうなと思いました。働いたりすればちゃんとやっていけそうな人だなとも思いました。

 

夫は歯切れが悪い

一方、“妻が企図した不正受給”に同意・協力したという立場の夫。妻は「夫にちゃんと仕事を得てほしい、そうでなければ一緒になるつもりはない」とのことですが、夫の話からは、ヤクザをやめる・仕事を得るという意思ははっきりとは感じられませんでした。まあヤクザのしがらみや立場など色々あるんでしょうが…。

話し方も歯切れが悪く、聞き取りづらかったです。今後のこととか聞かれても、どうすればいいかなんてわからない、という気持ちもわかるのですが、意思は感じられませんでした。

 

証人・傍聴で被告人の親が来ていた

証人としても、傍聴でも、被告人の親が来ていたようです。こういうところで家族と会うって嫌だなあ…。と単純に思いました。ある意味ドラマみたい。

 

今回の裁判を持って、来月判決が言い渡されるそう。前科もあり「服役は免れられない」状況とのことですが、どういう判決になるのかなあと思いました。

 

これまで映画やドラマでみてきた“裁判”の本物を見れただけでも良い経験だったし、全く知らなかった世界を見ることができました。

裁判員制度もあることだし、一市民として、こうして裁判を見届けるというのも良いのではないかと思います。平日の日中ではありますが、無料だし、気になる方は気負わず行ってみてはいかがでしょうか?私も、これからも傍聴に行ってみたいです。

 

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