ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

たかまつななの単独ライブ&シンポジウムへ。いろんな“もやっと”も残った。

お笑いには全く疎い私が、初めてお笑いのライブに行きました。

“お嬢様芸人”として有名になり、若者の政治参加を増やす活動をしている、たかまつななの単独ライブ&シンポジウム。私が行った回のシンポジウムでは、SNSの“物申す”動画で有名な「せやろがいおじさん」がゲストで登場しました。

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彼女の志にはとても共感するし、同郷同い年で、多分「知り合いの知り合い」なのもあって、親近感を持って活動を応援しています。

コントの内容などはあんまり口外しちゃいけないみたいなので(それも皮肉なことですが)、ライブ・シンポジウムを見て思ったことを書いてみます。

 

彼女のあり方がある意味面白い…?

たかまつななさんは、NHK職員としても働いています(その理由・思いもライブ内で語っていました)。その傍らでライブや動画などの活動もしていて、まじですごいなと思います。

けれどそんな状況が生んでいる、ある意味皮肉的な面白さ。それは、ライブのタイトルでは「検閲上等」と言いつつ、「ライブの内容がバレたら上司に怒られる」と半分(いや十分?)マジで何度も言ってる彼女の在り方。この状況、自虐的にネタにしたら面白そうだけどな〜。

そしてこのことから思う疑問が以下の2点。

  • この程度の言論が許されない組織や社会ってどうなの?(組織内部の秘密を暴くでもないし、過激なことは言ってないと思った)
  • そんな組織や社会を変えるために、もっと積極的に攻めた方がいいのでは?(と思いつつ、状況的にそれができないから苦労してるんだろうとは想像する)

考えさせられもしたし、もやっとしました。

 

正論、メッセージ性が前に出てる感がもやっとした

面白さよりも、正論やメッセージ性が前に出ているように感じるコントがいくつかあって、「お、おう…。」「いや、そうだけども…。」ともやっとして終わり、腑に落ちない感覚になりました。

オチこそドカンと笑いを取りに行く感じが欲しいし、皮肉を効かせるならもうちょっとわかりやすい方がいいような?と思いました。

熱意があるのはもちろんいいけれど、「お笑い芸人のライブ」というところでそれを前面に出されると、「何か違う」「こういうの聞きにきたつもりではないぞ?」と思ってしまいます。

 

せやろがいおじさんはすごい。

シンポジウムで思ったのは、シンプルに「せやろがいおじさん、すごい」ということでした。笑

例え話がいちいち秀逸で面白かったり(私が好きな面白さとも言えます)、真面目に話しながらも笑いもとってるのが、「よく気づくなあ」とも思うし「動画云々じゃなく、芸人としてまじで面白い!」と思いました。

そして、動画で扱うテーマを理解して噛み砕いて、面白さも交えて伝えている姿勢に改めて触れて、「頭いい、すごい」と心底思いました。本人は「学がないから、自分がわかるようにしているだけ」とは言っておられますが、それができない人も多いわけで。尊敬します。

また、途中話していた、他の人の気持ちを考えすぎてしまう気質は私も持っていると思うので、共感もしたし、「こういう気質は良い方にも生かせるんだな」と思えました。

 

外に向いていて、かつ誰も傷つけない笑いとは

せやろがいおじさんを迎えてのシンポジウムのテーマは、「誰も傷つけない社会の斬り方」。

これについて、せやろがいおじさんは「結果として傷つけてしまうことはあっても、誰かを傷つけようとしてお笑いやってる芸人はいない。食あたり起こそうと思って寿司握ってる職人さんいます?」「僕の動画も、少なくとも安倍さんは傷ついてると思う」というように話してて。これは言い得て妙だし、確かにそうだなあと思いました。

ちょっと私のお笑い観(?)について書くと、「お笑いよりコブクロのMCの方が面白い」と思っています。

私が12年以上ファンなコブクロは昔、大阪の路上で、喋りでも人を集めていたほど。今でもライブでは、曲で感動した後、MCで一気に笑いに引き込まれるというギャップ・メリハリがあります。ファンクラブ(的なサイト)に入会した直接のきっかけも、当時公開されていた「ツアーMC動画」を見たかったから。

私は冗談にも疎いし、漫才やコントも「これって笑っていいのかな」「バカバカしい」とか色々考えてしまって全く面白くないことが多いです。一方コブクロのMCは、ツアー中にあった出来事や、相方に関するエピソードで爆笑をかっさらっていきます。(深夜ラジオのフリートークにも通じるものがあります。)なので安心して笑えるし、「お笑いよりコブクロのMCの方が面白い」とずっと思っているわけです。

コブクロのMCは、もし傷ついているなら「ネタにされた人」くらいだと思いますが、ほとんどの場合それはコブクロ本人のどちらかか、周囲のバンドメンバーやスタッフ。距離も近いし、信頼関係も強くあるはず。特に後者は内輪ウケでしかないのかもしれないし、実際ちょっと内輪だなあと思ってしまうこともまあありますが、大概は普通に面白いです。

シンポジウム内で話があったように、「今の芸人は、内輪のことで笑いをとってる」「社会とか政治とか、外に向けたことで笑いをとる人が少ない」という現状は確かにあります。でも、信頼関係があってこそ笑いのネタにしても許容しあえるというのもあると思います

だから、内輪でないお笑いは「信頼関係がない中でどうやるのか」ということでもあり、「お笑い芸人と社会・観客の間に一定の理解・信頼関係がない状況ってどうなんだ」ということも言えるのではないかと思いました。

 

ライブのコントはそれなりに楽しめたし、笑えもしました。普段ほとんどお笑いに触れないし、触れてもずっと真顔でいれてしまうくらいの私なので、十二分に面白いものだったんだと思います。その一方で、色々考えさせられもした1時間半でした。

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