吸殻だけじゃない。タバコ関係のポイ捨てが悪質な理由と、改善策を考えた。
昨年秋からゴミ拾いを時々するようになって、今も梅雨の雨間のやれるときにやっています。
で、前から感じてはいましたが、最近「タバコ関係のゴミの種類の多さ」をより感じています。タバコのポイ捨てというと吸殻が筆頭だとは思いますが、それだけではないのです。
そんな話も含めて、「タバコ関係のポイ捨ての悪質さ」について、思うことを書いてみます。吸う人も吸わない人も一旦考えてみてほしいなぁと思います。
タバコ関係のポイ捨てが悪質だと思う理由
パッケージのゴミが色々ある。出るゴミの種類が多い。
タバコ関係のゴミとして意外と多いのが、外包装に関するもの。
まず、ケース全部(たまに未使用のタバコ入り)は毎回見かけます。
これ、分別しようと思えば、私が住む横浜市の方法で行くと
- 紙(ケース本体)
- 燃えるゴミ(中身の銀紙)
- プラスチック(ケースを覆う包装)
となると思うのですが、臭いも気になるし、拾ったものは汚いものが多いので、大抵は丸ごと燃えるゴミにしています。比較的綺麗な状態だったら、プラ包装だけ分けたりします。
また、上記のものが各々落ちていることも本当に多いです。
明らかにタバコのケースの形をしているプラ包装の切れ端や、落ちている頻度や大きさ的にタバコのものだろうと思われる銀紙は毎回拾います。
タバコ本体でない外装だけでも、いろんな種類のゴミになってしまっているのです。
拾うのが大変:数が多い、小さくて拾いにくい、臭い
以下の記事によると、世界レベルでは「1年のタバコの生産量の3/4が吸い殻としてポイ捨てされている」そう。そしてそれを日本に当てはめると「約1091億本がポイ捨てされていることになる」とのこと。だいぶ単純な試算だと思うので、日本もこうだと一概には言えないでしょうが、すごい量です。
また、ゴミ拾いのSNS「ピリカ」では、吸殻を1度に数百本も拾っている人の投稿がよくあります。
私は拾った吸殻の数を数えたことはありませんが、以前植え込みの影にまとめて大量に捨てられていたのを回収したこともあります。1度のゴミ拾いで「吸殻100本拾うまで帰れない」とかも全然できると思います(1回やってみたい)。
また、吸殻もケースも臭いが気になるので、翌日ゴミ出しに行けるという日だけ拾うようにしています。拾い始めると、そこかしこに落ちているのでなかなか前に進めないことが多いです…。ゴミ拾い全般もそうですが、吸殻を拾う時は特にゲーム感覚になってきます。
他のゴミと比べても大きさが小さいので、拾いにくいし、屈むの大変だし、本当、もう!ってなります。(笑) 足腰は鍛えられるかも。
環境に悪い:有害物質、吸殻自体も分解に時間がかかる
吸殻として捨てられる部分であるフィルターは、植物性の合成繊維であるアセテートというものから出来ているのが主流だそう。(参考:紙巻たばこ(シガレット) | JTウェブサイト)
しかし植物から出来ていると言っても、自然の中で分解されるまでにはかなり時間がかかるようです。先ほどの記事では、タバコ会社のコメントが載っており、フィルターの分解は最長15年かかるそう。
筆者は、タバコの吸い殻問題についてタバコ会社3社(※10)に対し、質問をした。回答を得られたのはフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)のみだった。
同社によれば「たばこフィルターは、木材セルロースから作られるセルロースアセテートでできています。自然環境にもよりますが、フィルターの分解速度は1ヵ月から15年かかると言われています。その過程で、残留物が土壌に染み出したり、分解途中の吸殻を動物が間違って食べたりするリスクがあるため、吸殻をむやみに捨てることをやめ、 成人喫煙者の方は、責任をもって処理する必要があると考えています」とのことだった。
また、言うまでもなく、タバコの有害成分が吸殻にもあるので、環境汚染にもなります。
缶などの中に入れる奴もいる&そうでなくても一緒にポイ捨てする奴も多い
缶やペットボトルの中に吸殻を入れた上でポイ捨てされているのもよく拾います。こうなると、中身を出して洗って分別でもしない限り(大変だし臭いし私はできません…)、せっかくリサイクルできるはずの空き容器も資源に出来なくなります。吸殻単体でポイ捨てするよりマシと思っているのでしょうか?実際はどっちもどっちなんですが。
また、中に入れたりしなくても、「缶コーヒーと喫煙を楽しんだ後に、どちらもその場に捨てて行く」という行動をする人が一定数いると思われます。よく喫煙者がいる広場みたいなところで、その両方を手にしている人が多いし、そのゴミも多いのです。
本当、「だから喫煙者が肩身狭い世の中になってきてるんだろうが」と思いますね…。
常習者は無意識レベルで捨てる。吸殻だらけの場所も気にしてない
一部喫煙者のマナーの悪さは、完全に習慣化しています。ゴミ拾いをしている私がいるすぐそばでも無意識レベルで捨てて行く人もいます…。
また、はたから見たら「地面が吸殻だらけ」「汚い」と思えるような場所も気にせず、その吸殻の量に加担する人も一定数いるようなので、困ったものです…。「みんな捨ててるからいい」という雰囲気につながってしまってるのでしょうか。
タバコ関係のゴミを減らす改善策を考えてみた
私はいわゆる「嫌煙家」ではありますが、街中の喫煙所や吸殻入れが減っている今、マナーの悪さばかりを嘆いても一方的すぎます。なので、せめて少しはタバコの「悪質なゴミ」が減りそうな方法を考えてみました。
携帯灰皿
正直これが一番妥当だと思うのですが、喫煙者は携帯灰皿を必ず使ってほしいです。嫌煙家が吸殻を拾うのはしんどい。自分で処理してほしいものです。
加熱式タバコの普及
従来の紙巻たばこは本体が単体なので、吸い終わったらポイ捨てしやすいと思うのです。
なので最近広がりつつある加熱式タバコを使う人が増えれば、専用の機械をかます分、吸殻もポイしづらかったり、機械と一緒に携帯灰皿を持ち歩いても良い気がしてくるのではないかと想像します。
まあ、IQOSのカートンも時々拾うんですけどね…。
パッケージの簡素化・脱プラ
前述のように、外装から出るゴミは、種類も量も多いです。もちろん、それをポイ捨てしないでほしいというのは大前提ですが、タバコ会社にも、どうにかパッケージを簡素化したり脱プラスチックにしたりという対策をお願いしたいです。
必要な場所には灰皿を設置&徹底管理。捨てたくなるデザインにする。
喫煙できる場が減っている昨今ですが、やっぱりそれなりに灰皿の設置は必要なのではないかとも思います。そうしてこそ、「ポイ捨てするな」と言える気がする。
で、街の吸殻入れなどを少しでも放置すると大変なことになると思うので、ちゃんと管理が必要になるのがネックではあります。
でも、以前SNSで見かけて知った、この「捨てたくなる吸殻入れ」みたいなものが置けたら良いなと思います。吸殻で「投票」するのも楽しいし、この形なら、雨風にも影響されなくてよさそう。
街の定期的な掃除
やはり、「放置されてる」「誰も見てない」みたいなところではポイ捨てが多いです。なのでどんな場所にせよ、人任せにせず、定期的に掃除をして綺麗に保つことが必要。
ただ、結局「捨てても誰か綺麗にしてくれる」と思われてしまう気もして、最近やや葛藤があります。一方で「みんな捨ててるみたいだから良い」という雰囲気を断つことはできると思います。
以上、「タバコ関係のゴミについて思うこと」でした。捨てる人が減り、拾う人が増え、よりよいorましな環境になるといいなと思います。