韓国映画界の名脇役、ユ・ヘジンの出演作25本見たのでまとめてみる。
私が韓国の映画とバラエティ番組に興味を持ち始めたきっかけになった作品に出演していて、すっかりファンになった俳優、ユ・ヘジンさん。誠実・実直で、親父ギャグ好きでもある本人の人柄も、“普通さ”と存在感・個性を兼ね備えた演技も大好きです。
(また後でも紹介する動画ですが、この人です↓)
そんな彼の出演映画をこの2年ほどで追いかけて、日本で見れそうなものは大体見れたと思います。その数、25本。
まだ何本か、見ておきたいけど見れてない作品もありますが、とりあえず今の段階で、見た作品の紹介と、おすすめをまとめておきます。
私が見た作品一覧表
では最初に、これまで私が見たユ・ヘジン出演映画の一覧を。表記などのルールとしては
- タイトル:邦題と原題の直訳が結構違う場合は、カッコ書きで原題の直訳をつけます
- 作品評価:ヘジンさんの演技のみに関わらず、作品全体についての私の評価です。いつも通り、星の数の意味合いとしては
5つ:めっちゃ良かった。また見たい。おすすめ。
4つ:普通に良かった。興味ある人は見たら良いと思う。(基本これ)
3つ:ちょっとよくわからなかった。見なくても良いと思う。 - 公開年順に並べました。
映画の情報は、サイト「輝国山人の韓国映画」を参考にしました。なかなか古風な個人サイトですが、ちゃんと最新映画についても更新されていて、漏れなく細かいことまで載っているので助かります。韓国映画好きにはおすすめです。
というわけで、一覧表を。
タイトル | 公開年 | 役名 | 役柄 | 作品評価 |
アタック・ザ・ガス・ステーション! | 1999 | チンピラ1 | ☆☆☆ | |
ライターをつけろ | 2002 | 沈着男 | ☆☆☆☆ | |
コースト・ガード(海岸線) | 2002 | チョルグ | ミアの兄 | ☆☆☆ |
ジェイル・ブレーカー(光復節特赦) | 2002 | チャプセ | 警官 | ☆☆☆☆ |
王の男 | 2005 | ユッカプ | 芸人 | ☆☆☆☆ |
約束(国境の南側) | 2006 | 主人公ソノの義兄 | ☆☆☆☆ | |
タチャ イカサマ師 | 2006 | コ・グァンニョル | 主人公コニの仲間 | ☆☆☆☆ |
大誘拐〜クォン・スンブン女史拉致事件〜 | 2007 | ムン・グニョン | 誘拐犯 | ☆☆☆☆ |
チョン・ウチ 時空道士 | 2009 | チョレンイ | 犬 | ☆☆☆☆ |
黒く濁る村(苔) | 2010 | キム・ドクチョン | 村民 | ☆☆☆☆ |
ダブル・キラー(殺したい) | 2010 | パク・サンオプ | 入院患者 | ☆☆☆ |
敵との初恋(敵との同床) | 2011 | チェチュン | 村人 | ☆☆☆☆ |
パイレーツ(海賊:海へ行った山賊) | 2014 | チョルボン | 海賊→山賊 | ☆☆☆☆ |
タチャ 神の手 | 2014 | コ・グァンニョル | 主人公テギルの師匠 | ☆☆☆☆ |
国選弁護人ユン・ジンウォン(少数意見) | 2015 | チャン・デソク | 先輩弁護士 | ☆☆☆☆☆ |
ベテラン | 2015 | チェ・デウン | 財閥の御曹司テオの従兄 | ☆☆☆☆ |
極秘捜査 | 2015 | キム・ジュンサン | 導師 | ☆☆☆☆ |
あいつだ | 2015 | ソ・ミノ | 薬局の人 | ☆☆☆☆ |
LUCK-KEY | 2016 | チェ・ヒョンウク | 主人公・暗殺請負人 | ☆☆☆☆☆ |
コンフィデンシャル/共助 | 2017 | カン・ジンテ | 韓国の刑事 | ☆☆☆☆ |
タクシー運転手 約束は海を越えて | 2017 | ファン・テスル | 光州のタクシー運転手 | ☆☆☆☆☆ |
1987 ある闘いの真実 | 2017 | ハン・ビョンヨン | 刑務所の刑務官 | ☆☆☆☆☆ |
レッスル!(レスラー) | 2018 | カン・グィボ | 主人公・元レスリング選手 | ☆☆☆☆☆ |
完璧な他人 | 2018 | カン・テス | 弁護士 | ☆☆☆☆ |
マルモイ ことばあつめ | 2019 | キム・パンス | 雑用係 | ☆☆☆☆ |
ユ・ヘジンの演技を見るという点でおすすめな作品
作品全体としておすすめなのは、上記の表だと星5つのものです。ここからは、ユ・へジンの演技を見るという点でおすすめな作品を、いくつかの視点で何作かご紹介します。
魅力満載な主演作
LUCK-KEY:悪人から善人まで。アクションも恋愛も。
これまで見てきた映画の中で、一番好きと言っても過言ではない作品です(ベスト3には確実に入る)。
ヘジンさんの演技としては、シリアスからコミカルまで、悪人から善人まで、アクションも恋愛も、本当に盛りだくさん。あらゆる魅力を見せてくれる作品です。
レッスル!:憎めないパパ役がはまってる。
本当に憎めないキャラ。息子思いで熱く、仕事も家事もこなす一方、酒を飲むとだらしない親父。これを演じられるのはこの人しかいないのでは。予告編も、見るたび、エアロビクスの大げさな振りで笑ってしまいますw
この作品のように、ご本人にも子どもがいたら絶対良い父親になれるのに…父親になってほしいなぁ…と勝手に思っています。50歳の独身だけど…。
そういえば、この作品を映画館に見に行った時に、へジンさんの顔をあしらったシールをもらいました。誰得…?(笑)
ベテラン:異色の悪役
おすすめというか、「異色だから見ておいたほうがいい」という感覚で、ピックアップしておきます。
近年の作品では「良い人」役が多く、特に「タクシー運転手」や「1987」では民主化運動のために身を挺した善良な市民、というような役。本人も人間味溢れる人柄。
そんな人が、この作品では「悪役」たる、財閥御曹司を支える従兄役。冷徹な工作をしていく役もはまっていて、演技の幅を感じ、「俳優ってすごいな〜」と思った作品でした。
「一人喋り」が見もの
へジンさんの演技の特徴として、「一人喋り」の魅力があります。落語や講談のように、見入ってしまう「一人喋り」を見せてくれる作品があります。舞台での経験が長いのが影響していそう。終わったら「よっ!」と声をかけて拍手をしたくなったり、何度か見返したりしています。そんな作品をいくつか。
ちなみに、ほとんどがこの動画内で紹介されています。↓
タチャ イカサマ師
主人公コニの実家に、グァンニョルが代わりに上司を装ってコニのお金を届けに行った場面での喋りがちょっとありました。
黒く濁る村
村を裏で牛耳る里長(日本でいう村長・集落長)の“手下”の一人で、ちょっとぬけたキャラクター(障害がありそう?)なキム・ドクチョン役。
そんな彼が、主人公たちの前で話しながら、里長の幻覚を見ているかのように、罰を恐れて発狂していく様の演技がものすごい迫力でした。これは、ヘジンさんファンは必見です。
パイレーツ
山賊に入れてもらった、元海賊のチョルボン役。ドジで憎めない、いるだけで笑えちゃう役(こういう役どころ、多いですw)。
海を知らない仲間の山賊に、海に住む大きな哺乳類たる鯨のことを説明する場面の語りが見事です。身振り手振り、擬音などで必死に伝える様子は、言葉がわからなくても直接面白さが伝わってきます。
ちなみにこの作品で、助演賞を3つ受賞しているようです。
その他作品一覧
次に、それぞれの作品の、予告編やリンク、一言感想などを書いておきます。
アタック・ザ・ガス・ステーション!
チンピラ役。今より細い感じがするし、若かった。笑
ライターをつけろ
盟友チャ・スンウォン(主演の一人)と初共演している作品。
コースト・ガード(海岸線)
軍基地がある町のヤクザ役。妹が精神障害を負うという、しんどい役。
ジェイル・ブレーカー
チャ・スンウォン(主演)と再共演。
王の男
コミカルな役柄。今につながる役柄かも。
約束(国境の南側)
チャ・スンウォンと再共演(義理の兄弟役)。
おばあちゃんを誘拐しようとして、逆に利用される青年の一人を演じています。
とにかく笑えた覚えがあります。細かいところを気にしなければ、楽しく見れる作品です。
“人間や馬に化けられる犬”という、SF(なのかな?)ならではの、ぶっ飛んだ役。
ダブル・キラー
復讐やら下ネタがゲスかったです。
敵との初恋
朝鮮戦争の際、当時実際にあった、南北の村民や兵士たちの交流を参考にした物語。
しばらく前に見たので記憶が曖昧ですが、「黒く濁る村」に続いてこの作品でもへジンさんが「狂う」様があったみたいです。
タチャ 神の手
「タチャ イカサマ師」の続編。
オープニングの映像も好きです。↓ アニメーションと実写が混ざった感じも良いし、へジンさんの1つの動きで本人らしさ・存在感が出ている感じが見事。
国選弁護人ユン・ジンウォン
邦題ではそのまま出ている、主人公の国選弁護人ユン・ジンウォンの、先輩弁護士役。この後の出演作で続く、「正義のため闘う役」の走りと言えるかもしれません。
極秘捜査
実際にあった少女誘拐事件の映画作品。少女の親が頼り、実際にあらゆる予想を当てた占い師役。刑事事件に占い師が関わるということで、終始不思議な感じがしたのを覚えています。
なかなか本性の見えない、薬局のおじさん役。作品としてはひたすら怖かったです…。
コンフィデンシャル/共助
最近はNetflixの「愛の不時着」でも北朝鮮兵士役で話題らしい、ヒョンビンと共演。彼はこの作品でも北の兵士役なのです。
へジンさんの役どころは、ヒョンビンのスマートなかっこよさといい具合に対比が効いていました。
タクシー運転手 約束は海を越えて
「パラサイト」でも知られるソン・ガンホ主演。ソウルのタクシー運転手が、民主化を求めるデモが弾圧されている光州へ、ドイツ人記者を乗せて向かう話。彼らが光州で出会う、現地のタクシー運転手役です。
1987 ある闘いの真実
刑務所の刑務官ながら、民主化運動に関わって投獄された人と外部をつなぐ伝言役をしている人物の役。のちに拷問されてしまう場面があり、見ていて辛かった…。
完璧な他人
堅物な弁護士役。 詳細は以下の記事で書きました。↓
マルモイ ことばあつめ
1940年代のソウルで、朝鮮語を守ろうと奮闘する「朝鮮語学会」を、ひょんなことから手伝うことになる人物を演じています。
だいぶ長くなりましたが、一度まとめてみたかったのですっきりしました。気になる作品などあればぜひ見てみてください。