2020年下半期に見た映画44本まとめ。
昨年7月、「2020年上半期」のお題のもと、見た映画をまとめました。
2020年が終わったので、またもや遅ればせながらですが、下半期に見た映画をまとめてみます。
2020年下半期に見た映画一覧
上半期は33本見たわけですが、下半期はさらに増えて44本でした。
そんな下半期に見た作品の一覧表を作りました。以前と同じく、私なりの評価もつけます。基準は、
- ☆5つ:とても良かった!他の人にもぜひおすすめしたい!!
- ☆4つ:良かった。見て損はなかった。(基本これ)
- ☆3つ:期待とはちょっと違った。ちょっと良さがわからない。
- ☆2つ:よくわからなかった
という感じで。
題 | 制作年 | 制作国 | 評価 |
---|---|---|---|
Gifted | 2017 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
The Public | 2018 | アメリカ | ☆☆☆☆☆ |
Life In A Day 2010 | 2011 | ☆☆☆☆ | |
ようこそ、革命シネマへ(Talking About Tree) | 2019 | フランス・スーダン・ドイツ・チャド・カタール合作 | ☆☆☆☆ |
ハニーランド 永遠の谷 | 2019 | 北マケドニア | ☆☆☆☆ |
マルモイ ことばあつめ | 2019 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
金子文子と朴烈 | 2017 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
Attack The Gas Station | 1999 | 韓国 | ☆☆☆ |
約束(国境の南側) | 2006 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
コースト・ガード(海岸線) | 2002 | 韓国 | ☆☆☆ |
タチャ イカサマ師 | 2006 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
黒く濁る村 | 2010 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
27 Dresses(幸せになるための27のドレス) | 2008 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
(500)Days of Summer | 2009 | アメリカ | ☆☆☆ |
なぜ君は総理大臣になれないのか | 2020 | 日本 | ☆☆☆☆☆ |
トガニ 幼き瞳の告発 | 2010 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
パパロッティ | 2013 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
高地戦 | 2011 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
王の男 | 2005 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
在りし日の歌(地久天長) | 2019 | 中国 | ☆☆☆ |
クレオパトラ | 1963 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
借りぐらしのアリエッティ | 2010 | 日本 | ☆☆☆☆ |
Romeo+Juliet | 1996 | アメリカ | ☆☆☆ |
アラビアのロレンス | 1962 | イギリス・アメリカ | ☆☆☆☆☆ |
はりぼて | 2020 | 日本 | ☆☆☆☆☆ |
その手に触れるまで | 2019 | ベルギー・フランス | ☆☆☆☆ |
きっと、またあえる(CHHICHHOLE) | 2019 | インド | ☆☆☆☆ |
ファヒム パリが見た奇跡 | 2019 | フランス | ☆☆☆☆ |
82年生まれ、キム・ジヨン | 2019 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
行き止まりの世界に生まれて(Mind the Gap) | 2018 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
Our Family Wedding | 2010 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
Revenge of the Nerds | 1984 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
朝が来る | 2020 | 日本 | ☆☆☆☆☆ |
罪の声 | 2020 | 日本 | ☆☆☆☆ |
靴ひも | 2018 | イスラエル | ☆☆☆☆ |
Just Mercy(黒い司法) | 2019 | アメリカ | ☆☆☆☆☆ |
Big | 1988 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
Brooklyn | 2015 | アイルランド・イギリス・カナダ | ☆☆☆☆ |
アイヌモシリ | 2020 | 日本・アメリカ・中国 | ☆☆☆☆ |
The Legend of Bagger Vance | 2000 | アメリカ | ☆☆☆ |
Dead Man Walking | 1995 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
パピチャ 未来へのランウェイ | 2019 | フランス・アルジェリア・ベルギー・カタール | ☆☆☆☆☆ |
声優夫婦の甘くない生活(Golden Voices) | 2019 | イスラエル | ☆☆☆☆ |
ホテルニュームーン | 2020 | イラン・日本 | ☆☆☆☆ |
下半期お気に入りの映画
上記表で5つ星をつけたものの中でも、特に良かった作品を4つご紹介します。
The Public(パブリック 図書館の奇跡)
凍死者も出るほどの大寒波に襲われたある町の図書館。ホームレスたちが「シェルターもいっぱいだし、一晩ここにいさせてくれ」と穏やかに“占拠”を始め、それに理解を示した司書の主人公。それが、「図書館スタッフがホームレスを人質に取った」とメディアや警察に騒がれ始め、事が大きくなってしまいます。
詳しくはこちらの記事で書きました↓。
社会性あるテーマながら、ハラハラドキドキの展開もありエンタメとしてもばっちりという、私が好きなタイプの作品でした。今のところアメリカ映画では一番好きかもな〜と思っています。
なぜ君は総理大臣になれないのか
政治家を追ったドキュメンタリー。
感想は詳しくは記事↓で書いたのですが、私は自分と同世代の議員の娘さんたちについて「こんな人生があるのか…」と呆然としました。こういう、想像もしなかった人生に出会えることこそ、ドキュメンタリーの醍醐味だと改めて感じた作品でした。
アラビアのロレンス
半世紀以上前の作品で、かつあまりにも有名な作品。中東好きとしては、前から「見なきゃな〜」と思っていましたが、きっかけがなく…。宅配レンタルの際に思い出して、送料的にちょうどいい枚数に合わせるためにも借りて見て見ました。
私は発表から長く経った作品だと、随所に古さを感じて作品に入り込めないことが多いです。しかし「アラビアのロレンス」の場合は、砂漠が舞台というのもあってか、そういうことがありませんでした。
CGも合成もないような時代に、砂漠という過酷な環境で撮影をしたこと自体もすごいし、全てが本物である映像の美しさや迫力を強く感じました。DVDの特典映像のインタビューによると、美しい砂漠の風景を撮るために、車や動物が通った跡を毎回消しながら撮影していたそうです…。気が遠くなるほどの手間やこだわりが、半世紀以上経っても伝わる作品に繋がっているのだなと感銘を受けました。
遠い蜃気楼の中から、ラクダに乗った登場人物が駆けてきて現れる場面や、広大な砂漠の中ではるか遠くに主人公の一行が隊列をなしている場面(もはや誰だかわからないのに役者本人が乗っていたそう)など、美しい映像で印象に残っている場面がたくさんあります。
不朽の名作とはこういうことか…!と感じ入った作品でした。
朝が来る
小説が映画化された作品です。
特別養子縁組で親子になった家族のもとに、子どもの生みの母親が突然訪ねてきます。そこから明かされる、両家族の大変さ、特に、生みの親のその後。
養子縁組を仲介するNPOが運営する、妊娠中の女性たちが過ごす家の住人の一人が、赤ちゃんを引き取りたい夫婦について聞かれて「欲しいもの何でも手に入れたいんだなって」と言った場面が、胸に刺さりました。
予期せず妊娠し、それを伝えた相手の男性からは逃げられ、子どもを育てていくお金も、周囲の助けもない厳しい状況にある生みの親と、結婚もしていて収入も住環境もそれなりに余裕のある生活ができているけど、子どもには恵まれない夫婦、というのは、確かにかなり格差があります。
田舎の純朴な中学生ながらも、本当に愛していた彼氏との間の子を妊娠したひかり。しかし、家族はひかりの彼や赤ちゃんへの思いを全く聞こうとせず、「今なら受験に間に合う」と赤ちゃんを手放すことを決め、出産後も受験勉強に励むよう言います。彼も泣いて謝って逃げてしまい、関係は壊れてしまいます。ひかりはその後自分を大切にできなくなっていき、やさぐれた生活になっていきます。
ひかりには貧困や暴力はなかったかもしれないけれど、自分の意思が軽視され、大切なものを奪われた悲しみがあります。その、一見恵まれている・困っていないように見えるけれど悲しみや虚しさを抱えていることに、とても共感しました。
いろんな社会の一面が濃厚に入っている作品で、考えること・感じることがあまりにも多かった作品。見てすぐも感想が全くまとまらずにブログに書けずにいましたが、また見て、思うことをまとめてみたいです。
おまけ:2020年見た映画の、制作国。
ついでに、2020年通して見た映画についてちょっとまとめます。
上半期は33本、下半期は44本ということで、年間では77本見ました。過去最高です。(以前見た映画をまた見た、というのは数に入っていませんが、数本ありました。)
どこの国の作品を多く見たのか知りたかったので、制作国で円グラフを作ってみたらこうなりました↓。
相変わらず邦画は少ないし、しかもそのほとんどがドキュメンタリー作品です。「朝が来る」「罪の声」など邦画を続けて見た秋頃に、「この流れで配信でも邦画を見たい」とは思ったのですが、タイミングを逃してしまいました。
また、年に1回「韓国映画を攻めたい」と集中的に見ることがあるので韓国映画は数が増えます。アメリカ映画は意外と多かったです。
今年もいろんな映画に出会いたいものです。