2021年上半期に見た映画。39本で17ヵ国を旅したまとめ。
半年ごとに何かとまとめてきた、映画について。今更6月までの上半期のまとめになりますが、自分の記録のためにも、見た映画の一覧やおすすめ作品をまとめておきます。
見た映画39本一覧
では早速、2021年上半期で私が見た映画を一覧でまとめてみます。前と同じく、星での評価は
- ☆5つ:とても良かった!他の人にもぜひおすすめしたい!
- ☆4つ:良かった。見て損はなかった。(基本これ)
- ☆3つ:期待とはちょっと違った。ちょっと良さがわからない。
- ☆2つ:よくわからなかった
という基準です。
タイトル | 公開年 | 製作国 | 作品評価 |
---|---|---|---|
Drumline | 2002 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
わたしに会うまでの1600キロ | 2014 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
あこがれの空の下 | 2020 | 日本 | ☆☆☆☆ |
Happy Old Year | 2019 | タイ | ☆☆☆☆ |
すばらしき世界 | 2021 | 日本 | ☆☆☆☆☆ |
青い空、碧の海、真っ赤な大地 | 2013 | インド | ☆☆☆ |
シェヘラザードの日記 | 2013 | レバノン | ☆☆☆ |
ある人質 生還までの398日 | 2019 | デンマーク,スウェーデン,ノルウェー | ☆☆☆☆ |
野球少女 | 2020 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(The Post) | 2017 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
1917 命をかけた伝令 | 2019 | イギリス,アメリカ | ☆☆☆☆ |
ガリバー旅行記 | 2010 | アメリカ | ☆☆☆ |
ミナリ | 2020 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
古山子 王朝に背いた男 | 2015 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
人間失格 太宰治と3人の女たち | 2019 | 日本 | ☆☆ |
母さんがどんなに僕を嫌いでも | 2018 | 日本 | ☆☆☆☆☆ |
カメラを止めるな! | 2018 | 日本 | ☆☆☆☆☆ |
かもめ食堂 | 2006 | 日本 | ☆☆☆☆ |
ALWAYS 三丁目の夕日 | 2005 | 日本 | ☆☆☆☆ |
ビューティー・インサイド | 2015 | 韓国 | ☆☆☆☆☆ |
スタンリーのお弁当箱 | 2011 | インド | ☆☆☆☆ |
ノマドランド | 2020 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
ピザ!! | 2014 | インド | ☆☆☆☆ |
インサイダーズ 内部者たち | 2015 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
生き残るための3つの取引 | 2010 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
ハロー!?ゴースト | 2010 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
FLU 運命の36時間 | 2013 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
怪しい彼女 | 2014 | 韓国 | ☆☆☆☆ |
5月の花嫁学校 | 2020 | フランス | ☆☆☆☆ |
チョコレートドーナツ | 2012 | アメリカ | ☆☆☆☆ |
ユニコーンを追え | 2019 | エストニア | ☆☆☆☆ |
ファイトガール | 2018 | オランダ | ☆☆☆☆ |
ブータン 山の教室 | 2019 | ブータン | ☆☆☆☆ |
A History of Women | 2018 | ルクセンブルク | ☆☆☆ |
カリプソ・ローズ | 2011 | トリニダード・トバゴ,フランス | ☆☆☆☆ |
フェアプレー | 2014 | チェコ,スロヴァキア,ドイツ | ☆☆☆☆☆ |
Austria2Australia | 2020 | オーストリア | ☆☆☆ |
Smuggling Hendrix | 2018 | キプロス,ギリシャ | ☆☆☆☆ |
海辺の彼女たち | 2020 | 日本,ベトナム | ☆☆ |
おすすめ映画祭
上記の映画のうちいくつかは、珍しい国の映画が見れる映画祭で見た作品です。一度ここで、その2つの映画祭をご紹介します。
イスラーム映画祭
毎年冬〜春頃開催される、「イスラーム映画祭」。2021年で6回目。イスラーム文化圏である中東や東南アジアなどの映画を上映していて、東京・名古屋・神戸で上映があります。上映後に映画に関するトークショーがついている回が多いのも大きな特徴です。
私がミニシアターなどで上映される映画をよく見るようになったきっかけは、中東の映画作品を見るためだったし、それからほどなくしてこの映画祭が始まったことで、私が映画に求めるものが定まったと言っても過言ではないと思います。そんな想いもあって、ほぼ毎回何かしらの作品を見に行っています。
EUフィルムデーズ
上記表の後半、見慣れない国や題名が並んでいるかと思いますが、うち6作は、毎年6月頃に開催される「EUフィルムデーズ」で見た作品です。
EU加盟国の在日大使館・文化機関が提供する作品が上映される映画祭。東京と京都の会場で上映されます。
2021年で19年目ということで、これまでも何回かチェックしていた映画祭なのですが、私としては数年ぶりに作品を見ることができました。そして本数としては最多の6作品。
というのも、コロナ禍もあってか、オンライン配信で見れる作品が多くあり、しかも、人数制限があるといえども無料で(!)視聴できたのです。太っ腹。ありがたい。
見る場所も日時も選ばないオンライン配信は、無料じゃなくてもいいから、これからも続けて欲しいものです。
おすすめ映画
今年上半期に見た映画の中で、おすすめのものをいくつかピックアップしてご紹介します。
すばらしき世界
幼少期から児童養護施設で育ち、放浪癖がついて暴力団に関わるようになり、人生の大半を刑務所で過ごしてきた主人公・三上。10年の刑期を終えて出所し、今度こそ堅実に暮らそうともがきます。
そんな三上から、刑務所内で記録された「身分帳」を送られて、「母を探して欲しい」と連絡を受けた、テレビ番組のディレクター・吉澤。後輩で小説家志望の津野田に取材に行かせます。三上の半生を番組にしようとする二人と、不器用で社会に馴染めない三上を描いた作品です。
youtu.be見どころは何と言っても、元ヤクザである三上を演じる、役所広司の熱演。怒ると大声で怒号を飛ばし暴力を振るう「怖さ」と、まっすぐ過ぎる正義感や真面目さ・優しさが同居している主人公が、どんぴしゃすぎて。役所広司の存在はもちろん知っていたしテレビで見かけることはあったけれど、出演作品としては、ドラマと映画1本ずつくらいしか見ていなかった私。「こんなすごい俳優だったのか…」と深い余韻が残りました。
映画の内容としても、事件の加害者や囚人の更生、というのは関心があるテーマだったので、興味深く見ることができました。また、加害者などをセンセーショナルに追おうとするメディアの姿勢も問題提起になっていたと思います。
カメラを止めるな!
公開時は社会現象レベルで話題になった作品。生放送のゾンビドラマを作ることになった主人公たちが、沢山のトラブルや苦労に見舞われながら、監督の妻や娘の活躍もありなんとか放送を成功させていく話。
ゾンビものということで、「面白いらしいけど、ゾンビ映画見ないし、映画館行くほどじゃないかな〜」と思って、後回しにしていました。
「ゾンビ映画かと思いきや、実は違うらしい」というくらいの筋書きしか知らずに見たので、後半3分の2の「お仕事映画」っぷりは意外で、かつ私の好きな“劇中劇”“演じている演技”が観れたので本当に面白かったです。
最初に見たゾンビ映画の裏側をネタバレしていく感じやドタバタ感、個性溢れる登場人物、主人公一家のほんわかファミリードラマ的な要素といろんな要素があり、充足感が残る映画でした。また何度でも見て笑いたい。
ビューティー・インサイド
18歳の誕生日から、毎日起きるたびに容姿がすっかり変わるようになってしまった主人公の男性。一人でできる家具作りで生計を立てて暮らしていたところ、ある家具屋で女性に一目惚れ。毎日見かけが変わってしまう中、なんとかアプローチしていくが…
この記事↓を読んで知り、見てみた映画でした。
物語の設定自体は、非現実的でファンタジー。毎日容姿が変わる仕組みや理由は、最後までわかりません。それでいて、現実社会にある見かけでの偏見・差別も深く連想されて、いろんなことを考えさせられました。「映画として、こんな表現ができるのか…!」と感銘を受けました。
主人公が恋したヒロインは、主人公のことを怪しむけれど、のちに彼の謎を受け入れます。しかし、「一番心を許せるはずの人の顔がわからない」「毎日違う人に触れられるようで怖い」と精神的に疲弊してしまいます。主人公も苦悩があるけれど、ヒロインのこういった苦悩もとても共感できて、辛く切なくなりました。
あと、主人公を演じるキャストが大勢いて、かつ豪華というのも見どころ。私としては、好きな韓国のバラエティ番組で見たパク・ソジュン、イ・ジヌク、ユ・ヨンソクなどの出演が嬉しかったし、日本からも上野樹里が出ていたりします。
全体的な絵面もとてもおしゃれで、見どころが多い作品でした。おすすめです。
おまけ:チェコ映画「フェアプレー」
(おすすめしても、おそらく日本ではなかなか見る方法がない作品なのですが、書いておきます…。)
上でも書いた「EUフィルムデーズ」で見た映画はどれもなかなか面白くて良かったのですが、その中で一番印象的だったのはチェコの「フェアプレー」という作品でした。
1980年代のチェコスロバキアが舞台。主人公は、オリンピックを目指す女子陸上選手。彼女の母も元テニス選手なのですが、共産党政権に歯向かったせいで選手生命を絶たれ、夫と離ればなれになった経験を持ちます。
オリンピックで国の宣伝をしたい政権幹部から、主人公は謎の薬の注射を受けさせられます。実はそれは、ドーピングの規制対象となっている「ストロンバ」というもの。
毛が濃くなったり生理が来なくなったりしたのち、体調を崩して倒れた主人公。一度注射をやめるものの、娘の活躍を願う母が、娘にいつもしている他の栄養剤の注射と思わせてストロンバの注射を再開してしまいます。
折しも東京オリンピックの前ということもあり、ドーピング、女性アスリートの悩み、アスリートとオリンピックを利用しようとする国の在り方など、なかなかタイムリーな問題を扱っていて興味深かったです。それと同時に、母と娘がお互いを思う気持ちといった普遍的な物語もあって、頭でっかちすぎない面も良かったです。
しかし、家族や恋愛などについても影響を及ぼす政治体制の在り方も描かれていて、「冷戦時代はこういう悲しみを生んでいたのかな」と想像できました。
こういうテーマがタブーになっておらず、映画の脚本としても面白いものになっているのがとても良いなと思いました。
まとめ:映画で旅した、17の国々と文化。
半年で見た映画の主な製作国(舞台となった国)を数えてみると、日本を含め17となりました。例年以上に、いろんな国の映画を見れたと思います。
映画は世界への窓。コロナ禍で海外旅行は難しく、海外のことに気を配っている場合ではない…という雰囲気もありますが、これからもいろんな国を映画で旅していきたいです。
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