ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

NakamuraEmi Momiツアー、横浜公演行ってきました。ライブやアルバムの曲に思った感想をつらつら4600字。

去る2021年10月6日、大好きなミュージシャンNakamuraEmiさんの全国ツアー、横浜公演に参加してきました。新しいアルバム「Momi」を引っさげてのツアーです。

ファンになった2017年以来、インストアライブやイベントなどには毎年足を運んできましたが、単独ライブに参加するのは2度目。アルバムの曲自体にもライブの歌・アレンジにも感じることがたくさんありました。

コロナ禍の中ライブハウスでの公演ということで、お客さんの数も70人くらいと超少なく、そもそも「キャパ少なそうだから、当たったらラッキー♪」「ツアー終盤のバンドバージョンが本命」くらいの気持ちで横浜も応募したら当たり、ありがたく参加したわけですが、「行ってよかった!」と心から思いました。

アルバムを聴いてから持っていた曲への感想や重なる自分の思いを含め、ライブの記録・感想を残しておきたいと思います。

※途中からネタバレします!

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開演までの話

客席は椅子が置いてあり、整理番号順に入場して自由席。前から詰めて座るようアナウンスされます。

私はこれまで、Emiちゃん以外ではライブハウスでのライブはほぼ行ったことがなく、立ちっぱなしだと曲に集中しづらいと思ってきました。疲れるし、荷物のやり場に困るし、1回入ったら抜け出せないし。だから、「ホールとかでやってくれないかな〜」と思ったりもしてきました。

その分今回は、1度席を取ってしまえば出入りできるし、荷物は余裕を持って足元に置いておけるし、めっちゃ楽〜!と思えました。コロナ禍がもたらしたメリットでした。

そしてそれに加えて、「ステージ上のEmiちゃんが見やすい!!」とびっくり。これまで、Emiちゃんの小柄さと、前の人の背中などのために、お立ち台に乗ってくれないとなかなか見えなかったのです。だから最初Emiちゃんが登場した時は、「うわ!よく見える!笑」とマスクの下で笑いをこらえていました。w

でも、座っていられるといえども、座りっぱなしなので、それもそれでお尻が痛くなったりもして。ところどころ立ってもいい、という感じなら良いんだけどな〜。

お客さんの人数もとても少なく、プロの満員のライブとしては、私が参加した中では今後も「歴代最小キャパのライブ」となりそうな予感。

 

曲の感想と思い出と

ではこれ以降は、ライブで聞いた曲の感想やらを書いてみたいと思います。ネタバレします。

印象的だった曲、というつもりですが半分以上の曲について書いています。あと曲順は不確かなのでだいたいの順番で書いてます。

 

 

BEST

昨年のベストアルバム「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST 2」の1曲目ということで、この曲から幕開けとは!と驚きつつ、去年のツアーが中止になった分、去年から今をつなげる曲だなあと思いました。

ところで上記のアルバム発売は2020年2月と、コロナ禍ギリギリセーフ(?!)な頃でした。恒例のタワレコでのインストアライブへ行って、手の消毒はした上だったけど握手や、サインももらいました。今後しばらくないでしょう。。

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大人の言うことを聞け

Emiちゃんのことを知って一気にファンになったきっかけは、ラジオ番組「School of Lock!」でした。10代向けの番組ということもあってかこの曲もピックアップされて流れていたのをよく覚えています。

当時20代前半で聞いた私は、歌詞の「大人になったら逆に 誰も何も言ってくれない」に「いや〜ほんとそう、、」と心底共感しました。

出会いのタイミングで聞いた曲を数年越しにまた聞けて嬉しかったです。


スケボーマン

イントロで、ギターで曲のフレーズがしばらく演奏され、「なんだっけこれ…」と思っていたらこの曲。メジャー1枚目のCDに入っていて、かなり好きな1曲ながら演奏されてるのは聞いたことがなかった気がするので、曲がわかった瞬間小さくガッツポーズしてしまいました。

30歳も視界に入ってきた年齢の私としては、なんかわかるな…と思い始めたこの曲の歌詞。この曲の主人公は今の私と年齢が近いのだろうなと初めて思いました。

 

drop by drop

コーヒーの歌。歌詞の特に2番が、「これ私のことかな?」というくらいぴったりなのです。この記事に書いたことともかぶります。↓

mizukifukui.hatenablog.com

この3年で私は、コーヒーを嗜むようになった。大人になったな。大人になっちまったな。

あと1番の、「無理そうな奇跡 毎朝1つ1つ並べて」というところが、「毎日起きれてるだけでも奇跡なんだよ!頑張ってる!」と元気付けられているようで、とても好き。

ライブでは、レコーディングでも使ったコーヒー豆を入れたボトルで音を録り、ルーパーでギターの音などと重ねていっていました。最初は「この音のどこがあの曲に…?」と思えても、徐々に音が重なっていくと曲が立ち上がって成立していって、面白いものです。

 

ご飯はかために炊く

この曲について、こちらのインタビュー記事↓でもインタビュアーの方が言っていて、私も感じていたことがあります。

okmusic.jp

かためのご飯が好きな相手のために、実はやわらかめが好きな主人公が“ご飯はかために炊きます”というオチには、私はゾワッとするものがあったんですよ。この気遣いがもし一方的なもので、片方が我慢するだけの関係性だったら哀しいなと。

パートナーや周囲の人の好みを受け入れて、「ああ、そういうのも良いよね」と、自分の“好き”や許容範囲を拡大していけているのなら良い。だけどそれが「いつの間にか自分の個性・好みを失っていく、飲み込まれていく」というものなら怖いな、と、前者の美しさを半分、後者の怖さを半分感じる曲でした。

そして、インタビュー記事を読んで怖さの方が大きくなってしまって、サウンド的にもちょっと重く沈んでいく感じがまたそれを助長して、音源の方は正直あまり聞けなくなりました。

でもライブで聞いた音は、ギターの音などが高めに明るく入っていて、音源よりは希望を感じられました。良い意味で溶け合っていき、でもそこから新しいものが生まれる予感を感じさせられる音。

波の音を出す「オーシャンドラム」をイントロなどで使っていたことや、スモークがもんもんとして神秘的な雰囲気から、夜の、深い森や海が頭の中で見えて、行ったこともないけど「屋久島…?」と思いながら聞いていました。

 

1の次は

この曲が解禁される前、「HSP・繊細さんがテーマ」というようなことを聞いていて、「多分私もそう」と思っている人間としては嬉しかった。だけどタイトルは謎だなあ、どんな意味だろう?と思っていて。

mizukifukui.hatenablog.com

曲を初めて聞いた時に、冒頭から「1の次は2で」という言葉を聞いて、「そういうことか〜・・!!!」と思わず声に出てしまいました。心底共感というか、もうこの時点で曲の言わんとしていることは体感できて、「そういうことだよ!私の状況は…!」と思えました。そして後半で予想通り「1から2まで沢山数字が見えるの」という歌詞がきて、「うんうんうん」と納得。

大学に入った頃から、突然ジャンプアップを求められている感覚になり、単位・レポート・バイト・就活など「なんで誰も教えてくれないの」「なんでみんなはできるの」「本当にみんなそれで納得してるの」と戸惑いや混乱ばかり。突然世界が広がったから、やりたいことばかり、刺激ばかりで、気力体力が追いつかず時々大事なところでブチっと息切れして、迷惑をかけて罪悪感がたまって。

感覚という話での繊細さももちろんあってその点でもこの曲には共感するのだけど、それよりも「つまづいた自分の人生」という視点で、「1から2の間にもっと0.1とか0.01があるだろう!」という私のこの10年近くの憤り・内心の叫びが軽やかに言語化されている1曲。これから自分の感覚や悩みを言うときには、この歌詞をぜひ引き合いに出したい。

そう思えたから、さっき紹介したインタビュー記事でインタビュアーさんがこの曲については「解釈するのが難しくて」「どういうことなんでしょうか?」と聞いているのが、「え、わからないの?」「そんなに聞こえ方が違うのか…」と驚きもあった曲です。

 

私の仕事

歌詞の「私の仕事は私を人にする 私の仕事は私を強くする」、そんな仕事を生業にしたいなと改めて痛感させられた1曲。春先に発表され、いかにも春の空気をまとった音づくりもとても好きで、イントロを聞くと深呼吸したくなります。

ライブでは照明が印象的でした。真っ白で筋のある細い光が、後ろから強く差していて、神々しく見えました。Emiちゃんの歌唱について、以前インストアライブで、声の伸びが「天に届くようだ」と思えたり、特に「ふふ」という曲が「祈りの歌」と思えたりしていて、古来から歌ってこういう役割だったんだろうなとか思ったり。そんな、Emiちゃんの歌に宿る神聖さや祈りを、照明も表現してくれているようで嬉しくなりました。

 

投げキッス

可愛さを感じるタイトルとは裏腹にロックな1曲。音源ではエレキが効いてるから、「2人だけでどう演奏するんだろう?」という疑問があったけれど杞憂でした。アコギでばっちり成立していて、迫力もあって。曲が発表されてから、「ライブで、全身で“浴びたい”曲だな〜」と思っていたけど、それも十分叶ったと思えました。

 

ファンレター

アンコールで歌われたこの曲は、CD・レコードだけに入っているシークレットトラック。普段のように携帯で録ったという音が収録されていましたが、ライブではマイクなしの生音での披露。

年に数回行っているライブが断たれた去年。ようやくリスタートを切ったアーティストが多い今年、今。「リアルライブに来たんだ」という実感と、初めて聞くEmiちゃんの生歌、カワムラさんのギターの生音に感慨深さが募って、曲の序盤は心が震えて泣きそうになりました。

本編最後の「投げキッス」とは、音の出し方は真逆のようだけど、どちらも「リアルライブの醍醐味」を感じられた2曲。この流れが一番印象に残りました。

 

声出せない、立てない、など制限もある中で、「いただきます」の「さぁ召し上がれ さぁいただきます」のところとかは歌いたくなるけど無理だし、恒例の「YAMABIKO」でも声出せず腕だけあげるという具合でした。

でもライブならではのアレンジが印象的だった曲も多くて大満足だし、アコースティック編成のうちにもう1回くらい行けないか…とか考えちゃってます。

 

では最後におまけで一言。このツアーでは、アルバム名の「Momi」の由来の一つである「籾」から、Emiちゃん宅の田んぼで刈り取られたという稲穂がステージに飾られています。

それについてMCでEmiちゃんたちが「これの写真がSNSに上がってるの見たことない」と言っていたのですが、終演後のステージって暗すぎて、全然うまく撮れないんですよね。笑 スポットライトとか当たってればめちゃくちゃ綺麗そう。まだ変わっていなかったら、照明とか考えてみてほしいな〜。

というわけで、一応撮った終演後のステージの写真で終わります。ではでは。

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