ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

プライスレスな、地元の銭湯での2時間を刻んでみる。

午後4時。久々に来た、地元の昔ながらの銭湯。地元と言っても、生活圏からはやや離れる、家から徒歩20分の場所にある。バスに乗れば10分かからないけれど、運動と節約のために、歩いて丘を越え、坂を下る。

カウンターでお金を払い、女湯の暖簾をくぐる。

いつもはピークじゃなさそうな時間に行っていたからか、30以上並ぶカランはガラガラで、居ても5人くらいの客しか見たことがなかった。だけど今日は、祝日の夕方というのもあってか、びっくりするぐらい人がいた。脱衣所には10人ほどのおばさんがおり、さらに数名がお風呂場で思い思いに体を洗ったり湯に浸かったりしていた。

神奈川県の銭湯の入湯料は470円と少々高めだし、昔からあるものが少ない地域だから、これまで正直「ここの経営は大丈夫なのか」とか考えて心配していたけど、しっかり愛されてて常連さんもたくさんいるんだなあと思わされた。「“文化”が根付いている」のを感じて嬉しくなった。

今日私が居合わせた客は皆、70歳前後からそれ以上と思われる、おばさんというか、おばあちゃんというか。みんな常連のようで、脱衣所で座って話をしている人がいた。風呂場でも「お先に、またね」という声かけをしたり、なんなら今日の夕飯の相談をしている人もいた。背中を流し合うおばさんもいた。こんな「ザ・銭湯」な光景がある場所だとは、今まで知らなかった。

私がこの銭湯に来るのは5回目くらい。3,4年前に「交互浴」について知り、水風呂と熱々のお風呂を行き来できる銭湯でリフレッシュするのが好きになった。たまに銭湯に赴いては、水風呂と普通の風呂の往復を10回くらいする。するとどこかで、肺がガッと広がったような感覚がやってくる。気管支や肺の先まで空気が入るような感覚になり、深い呼吸ができるようになる。その感覚を感じるのが心底好きだ。

今日の銭湯で私は、全然常連ではないし、年齢層的にも浮いていた。その場の平均年齢を計算するなら、私の分で少し若くなって平均60歳くらいにでもなりそうだ。だけど、居づらさは感じなかった。

温度計は47度を指すお湯に入っているとき、「銭湯も気持ちいいでしょう」と、おもむろに隣に入っていたおばさんに話しかけられた。

「よく来られるんですか」と聞いてみると、「ほぼ毎日。バスを乗り継いで来るの」とのこと。家のお風呂は掃除も面倒だし、年寄りは暇だから、と笑う。家の風呂の掃除の手間については考えたことがなかった。健康的で良い趣味だと思った。そんな二言三言を交わして、どちらも湯を出た。

 

行き交うおばさんたちの様子を横目に、ひたすら交互浴を繰り返したり、サウナに入るタイミングを見計らってサウナと水風呂も往復したら、2時間近く経っていた。4時台にはあんなに人がいたのに、6時前には私が見慣れた、数人の客のみの光景になっていた。

普段混んでいる場所や時間に動くのを避けているから、最初人が多いのは少し辟易したけど、素敵な光景と、それに紐づく地域性・コミュニティを見られて嬉しくなったから、全然良い。

コミュニティ云々を横においても、1〜2時間楽しめて、心底リフレッシュできる環境で500円以下とは、コスパが良すぎる。だけど今日は、お金に換算できないプライスレスなものも見せてもらった気がした。

銭湯は減っている。そもそも地元に銭湯があるのもレアだけど、こんな素敵な場所は、できればなくならないで欲しい。こんな場所が地元にあるとは、まだ捨てたものじゃないかもしれない。これからも応援したいし、もっと使いたいなと思った。