ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

おばさまグループも小中学生も吸い寄せる、地元のマクドナルドに想う。

月曜、午後5時。ブログを書こうと、地元のマクドナルドに寄った。地域一帯のインフラともいうべきイトーヨーカドーの、1階にある。平日の夕方や夜に行くたび、ただでさえまあまあ混んでいるのと、小学生から高校生と思しきグループの賑やかさ、殺伐とした雰囲気などに嫌気がさして、行こうと思ったけどやめた、ということも時々ある。でも今日は空席もあったし、席を確保して150円のポテトを買い、席に着いた。

周囲の客層は、普段と様子が違って見えた。右隣に、60〜70代と思われる6人組。うち2人は夫婦のようで、奥さんの女友達4人に囲まれている様子のおじさんは明らかに居心地が悪そうだった。6人の間には、時々沈黙も訪れる。時が過ぎるのを待っているように見えた。きっとこの暑さの中涼みに来たのだ。また前方には、70代ほどと思われる、おばさま5人の女子会。よく喋る。そんな光景をぼんやり見つめる視線を遮るように、何人も、背を丸めたおばあちゃんや、杖をついたおばあちゃんが通っていく。そのうち2人は、女子会をしているおばさま方の肩をたたき、親しげに話しかける。

明らかにうちの親より上の世代の人々が、マクドナルドという「お金のない若者のたまり場」の象徴のような空間に集っていることに驚き、正直危機感を覚えた。複層的な「貧しさ」を感じた。

 

金銭的貧しさ…?

100円から飲食物を買って居座れるマクドナルド。安い分、食品のクオリティやサービス、雰囲気は犠牲にしている。それをお金のない人(多くが若者)だけが甘んじて受け入れている…のだと思ってきた。

だけどそれは変わってきているのかもしれない。安く居座りたいのは大人も一緒で、年を重ねていっても、飲食物の質や雰囲気よりも安さを一番に取る(取らざるを得ない)人もきっと増えている。その安さを背景に、幅広い世代にファストフードが浸透してきているのだろうということも強く感じた。

ある意味、退職後などの高齢者もお金の余裕がないのかもしれない、という危機感も肌で感じた。ニュースなどでも言われていることは本当かもしれない、こうしてじりじり蝕まれているのかもしれない、と。こういうおばあちゃんにはなりたくないと思ってしまったけど、自分だってどうなるかわからない。

そして、そうして蝕まれていくのは、自分たちの財布だけではない。

 

地域の「貧しさ」

私が住む、横浜駅から20分ほどの住宅街。都市部と郊外の狭間のようなここは、駅前にバスターミナルや総合スーパーが計画的に整備されたニュータウン。仕事や通学で東京に通う人も多いから、ベッドタウン的役割もあり、通勤ラッシュもひどい。近くの団地も出来てから長い年月が経ち、団地を通るバスの乗客の年齢層はとても高い。

そんなこの街は、抱える人口に対して、ふらっと寄れる場所が少ない。無料で居られる場所はなく(ヨーカドー店内のベンチくらいか)、安く居られる場所は全国チェーン。個人経営のカフェは、あってもまるで存在感がなかったり、ふらっと行くというより食事やお酒などがメインだったり。

団塊の世代が退職し時間を持て余している昨今はなおさら、人々はチェーン店のファストフード店やカフェに集まり、お金は地域にとどまらず、大企業へ、海外へ流れていく。そしてそこで口にするものも、多くが海外からやってきたものだったりする。文化も食生活も変わっていく。体の中身も変わっていく。これを仕方ないと言っている間に、大切なものを失う気がしている。

その一方で、一筋の希望もある。数ヶ月前、駅から数分の距離に、雑貨も扱うおしゃれなカフェが開店した。小さな子どものいる地元の夫婦が経営しているようで、売っている陶器やカバンなどは作家から直接買って置いているそう。具沢山のホットサンドには、お店の食べ物には久しく感じていなかった、手作りの優しさがあった。

こんな洗練された店がこの街にあるなんて似つかわしくない、と気が引けるほどだけど、こんなお店1つから、この街が少し変わってくれたらいい。今のところ、駅前のマックやドトールは狭い店内に人がぎゅうぎゅう詰めのくせに、数分歩いただけで着くそのお店は良くも悪くもゆったりしている。もう少しお客さんが流れてほしいと、勝手に願い、応援している。

 

「地元には何もないと、思ってるだけだよ。掲示板や市民便りとか見てみたら、意外と面白い活動があったり、ボランティア募集してたりするよ」と、教育が専門で地域の活動にも熱心な、ある教授が言っていた。地域に根差した居場所づくりを、田舎に住んでやりたいのが一番だけど、同時に、人間味や文化的雰囲気のないこの街でも、いつか何かしたいと思っている。

ここで書いた危機感とクーラーの冷風で居心地が悪くなり、最初想定していたより早く、私はマクドナルドを後にした。しばらく行きたくない、と思いつつも、便利さに負けてまた吸い寄せられてしまう気もする。 

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地元の街にずっと感じてきた危機感や違和感を、少しだけ言語化するチャレンジ、でした。また考えてまとめます。