埋め込み広告なしだけど、コンテンツ主に利益もある。無料ブラウザアプリ「Brave」が快適で良い仕組み。
この数ヶ月間、iPhoneでニュースサイトなどを見る際に、「Brave」というブラウザアプリを使っています。アメリカ発のサービスで、無料で使えて、あらゆるサイトに埋め込まれている広告を非表示にできるアプリです。しかしそれだけでなく、まだ日本では対応先が少ないですが、応援したいサイトなどにお金をあげられる仕組みもあるようです。
使ってみた感想などをご紹介します。
機能
まず、どんな機能があるのか、主なものをご紹介します。
サイトに埋め込まれている広告の非表示
共同通信のニュースサイト「47NEWS」のトップページを例に紹介します。iPad miniの、SafariとBraveからアクセスして、ほぼ同じ時刻に撮ったスクショで比べてみます。どちらも、上:Safari・下:Braveです。
まず一番上のページ。
Safariからだと右上に広告が入っていますが、Braveからだとそれがなく、空いた空間の分は詰まって、下の部分が空白になっています。
少し下の部分を比べてみます。
中央右のPRの記事の表示は無くなりません。
もう少し下は…
一番上と同じ感じ。
そして一番下は…
ここはわかりやすく、広告がなくなっていて、その分空白になっています。
ちなみに、Braveのトップ画面には「ブロック済みの広告・トラッカー」「節約できた時間(推定)」などの表示があります。3ヶ月ほど使った私の数値はこうなっています。
ブロックしてくれた広告・トラッカーは、11万というすごい数になっています。また、Braveでなかったら、広告を読み込むためにかかっていたであろう時間を推定した「節約できた時間」は1時間。これ、「1時間」に到達するまでは秒数や分数が日々積み上がっていたのですが、最近は全然変動がありません。2時間とかになるまで動かないのかな…?
限定的機能:Brave独自の広告を見てポイント獲得→応援したいサイトに払う
ただ広告を非表示にするだけだと、個人ブログにせよメディアのサイトにせよ、収入が減ってしまいます。Braveは、今のウェブ広告の課題を解決する形で、閲覧者・メディア・広告主にとって良い、「三方良し」な広告収入のあり方を目指しているようです。
「Brave Rewards」という仕組みがあり、参加するかどうか選べます。
参加すると、設定した頻度(1時間に1〜5回)で広告がバナーとして上に出てきます。これは従来の埋め込み広告とは別物。タイミングも邪魔にならないようになっているようだし、あまり気になりません。
トップページの背景にも、スポンサー背景画像がある時があります(設定で非表示にもできます)。
広告を見ると、「BATポイント」がもらえます。BATはBasic Attention Tokenの略で、ブロックチェーンに基づく仮想通貨の一種。しかし日本では法律的に、仮想通貨ではなくポイントとして付与することになっているようで、「BAT“ポイント”(略してBAP)」になっています。
そうして獲得したBAPは、今はPCのみ対応している機能だそうですが、閲覧したサイトに払うことができます。気に入ったサイトにチップとして払うこともできるし、閲覧時間を基準に分配する機能もあり、その分配をするかどうかなども自分で設定できます。従来の埋め込み広告に代わる、コンテンツ主の収入になりうるわけです。
しかしBAPを送るのは、受け取りに対応しているサイトじゃないといけません。未対応のサイトに送ることもできますが、一度送って90日間対応がなければ戻ってくるそう。Wikipediaとかは対応していますが、日本のサイトで対応済みのところは少ないと思います。
また、海外では仮想通貨のBATがゲットできるので、より広い用途で使えるようです。
私は今のところ、iPhoneでしか使ってこなかったので活用できていません。
良いところ
広告なしで集中できる&読み込みが早い
もともと広告が入っていないようなサイトを見る分には、表示される画面はSafariなどと変わりませんが、広告のあるサイトを見る時にはかなり違いを感じます。
埋め込みの広告って、サイト自体の内容と全然関係ないことも多いですが、Braveからアクセスすると表示されるのはサイトのコンテンツだけになり、内容が見やすくなります。画面や内容のごちゃついた感じもなくなるし、頭もすっきり。読み込みも早いです。
なので私は専ら、ニュースサイトなどを閲覧するのに使っています。記事の1つかのように紛れ込んでいる広告の表示がなく、集中できます。これに慣れると、他のブラウザやアプリだと広告が多くてイラッとするようになりました。それで使わなくなったニュースアプリも何個かあります。
トラッカーとか防いでくれるのでちょっと安心。
多くのサイトに実装されていて、サイトにアクセスすると実は発行されているトラッカー。
この辺の仕組みについては全然詳しくないのですが、Braveを信用するなら、トラッカーを防いでくれるというのは安心できます。
Braveでは、アクセスしたページの広告・トラッカーの数などの情報を簡単に閲覧できます。例えば、先ほども例に挙げた「47NEWS」のトップページの情報を見てみると、こんな感じ。
めっちゃある。
あと、明らかに埋め込み広告はない、私がファンで入会しているコブクロのファンサイト「Team Kobukuro」のトップページを見てみたら、1つ検知されました。
ページ下部に、チケットサイトとかのリンクがあるので、それかもしれません(違うかも)。でも、「ゼロじゃないんだ…。」とちょっと驚きました。
いまいちなところ
今ひとつだな〜と思うことも多々あります。
お気に入りが同期できない
Braveは、違うデバイス上(PC・スマホ・タブレット等)のアプリを同期して使うこともできます。
でも、不満なのが、ブックマークは同期できてもお気に入りは同期できないこと。お気に入りの方が、トップ画面でも一部表示されるしアクセスしやすいと思って活用していますが、iPad miniと同期してみたらお気に入りが同期できずびっくり。「お気に入りを共有したいから同期したのに…」とがっかりしました。しょうがないので、お気に入りと合わせてブックマークにも、よく使うサイトを登録してみています。
トップ画面に表示されるお気に入りが少ない(特にスマホ)
上記の通り、お気に入りを活用している身としては、トップ画面に表示されるお気に入りが、特にスマホ版だと少ない(4つ)のが気になります。Safariだとお気に入りがまず一覧で出てくるので、その方が便利だなあと思います。
Braveは、トップ画面の背景にクリエイターの撮った写真やスポンサーの画像(比較的おしゃれなやつが多くて良いです)が載るので、それを見せるためかなとは思うのですが。
検索エンジンにYahooがない(まあいいけど)
Brave上で使える検索エンジンは、
- Bing
- DuckDuckGo
- Qwant
- StartPage
となっています。日本ではメジャーで、私も普段使っているYahooがない…。まあ、私がYahooを使い始めたのは、「一応日本の企業だから」という理由で、「情報でも金銭でも、国外より国内に利益を落とした方が良い」「情報が遠くに行かなくて済むかもしれない」という考えからであって、別に「好きだから」というわけではありません。だからまあ良いのですが。
あとちなみに、Googleの検索結果でよく冒頭に広告がありますが、それはBraveでも非表示にはなりません。
まだ対応してない機能・サイトばかり
「Brave Rewards」はまだPCからだけだし、その報酬を受け取る対応ができているサイトも日本ではまだまだほんの僅か。なので、「広告が非表示にできる無料アプリ」としては十分ですが、新しい仕組みとしては日本ではまだ全然回ってなくて、よくわからない部分が多いサービスです。
しかし、仕組みとしては応援したいし納得感があります。人気は高まってきているようなので、今後に期待。
まとめ:まだ謎は多いけど、おすすめはできる。Safariと併用しつつ、移行しつつ、使います。
まだ黎明期的なアプリですが、かなり注目もされているようだし、使い勝手も悪くありません。Braveを使うまで、「ブラウザアプリなんてどれも変わらなくない?」と思っていましたが、今は特徴もよくわかり、気に入っています。
しかし今後も色々改変などがあるでしょう。実際、この記事を書くために色々調べていたら、とある問題が発覚したようで、今のBraveとは違う仕組みを構築しようとしているチームがあるみたいです。
私は、Safariからお気に入りを移行するのが面倒で、とりあえずニュース関係のサイトを見るときにBraveを使ってきました。今後は、安全性のためにももう少しBraveを使ってみようか、という気になってきたので、移行しつつ、でも併用もしつつ、使っていこうと思っています。
気になる方は、無料だし、一度試してみてください。結構快適ですよ。