映画「国際市場で逢いましょう」から振り返る、韓国で見たもの。
よくタイトルは目にしていたものの見ていなかった、韓国の映画「国際市場で逢いましょう」を先日見てみました。韓国が経験したいろんな出来事が凝縮されたような主人公の人生は、少し非現実的にも見えたけれど、あながちそうでもないのかもしれないとも思わされました。
感想はまた後日書きたいのですが、映画の中で描かれたものと、去年夏に行った韓国旅行で行った場所・見たものがいくつか重なったものがあったので、少しだけ振り返ってみます。
釜山:国際市場
主人公ドクスが長年店を構えているのは、釜山で一番大きくて有名な「国際市場」(こくさいいちば)。アーケードの中などに、飲食店や日用品店などいろんなお店がひしめき合っています。
映画では、題名になっている割にそこまで市場内のシーンは多くないのですが、それでも、冒頭の部分などは「ここかー!」と思えました。おそらくこの道を撮影していたと思います。↓
板門店ツアー:離散家族の“人探し”の再現@臨津閣
ソウルから出かけた、板門店ツアー。かの有名な「青い家」を訪ねた後に向かった臨津閣という地の建物では、朝鮮戦争の混乱の中はぐれてしまった「離散家族」が人探しのために貼り紙を貼った場所を再現したり、テレビ局・KBSが1983年に放送した離散家族を探す特別番組の映像が流れているところがありました。
作品の中でも、主人公ドクスがソウルまで出てきて、この写真のような貼り紙を読んだり、特別番組に出演して家族を探す場面がありました。臨津閣で見たものともすごく重なって見えて、とてもリアルで惹きこまれました。
おまけ:文在寅大統領と「興南撤収」
臨津閣の建物内には、ここを訪ねた著名人のサインがいくつかあったのですが、その中に現大統領の文在寅氏のものがありました。
映画の冒頭で描かれる、「興南(フンナム)撤収」。今の北朝鮮に位置する港町に、北から進駐してくる軍から逃げるため避難民が押し寄せ、国連軍が避難民を船に乗せて脱出したという出来事。
この船に乗っていた大勢の中に文在寅氏の両親もおり、船で半島南部の巨済島にたどりつきます。その約2年後、文在寅氏は生まれたそうです。彼が北朝鮮と友好的でありたいと思うのも当然だなと思わされます。
彼は70〜80年代の民主化運動にも、大学生の頃も弁護士になった後も参加していたようだし、韓国現代史の生き証人のような人だなと、改めて思いました。だからこそ映画の中の主人公たちのことも、非現実的なようだけど本当にこんな人がいたかもしれない、と思いました。
こうして実際の場所や出来事をとても反映して作られていた、濃密な作品でした。韓国の映画は社会の動きや現代史を反映しているものも多いので、好んで見ているとだいぶ韓国現代史に詳しくなってきました。笑 これからもこういったタイプの映画を色々見ていきたいところです。
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