ふーみんLABO(仮)

26歳女が「納得できる自己紹介」を目指して執筆中。エコ・節約・映画など、私の頭の中を可視化するため、とりあえず色々書いてみようという実験です。

食品工場で一日働いてみて思ったこと。

先日、派遣バイトで一日だけ食品工場で働きました。前から、どんな仕組みになっているのか興味があった食品工場。働いてみて思ったことを書いてみます。

 

ベルトコンベアーに操られる自分

ベルトコンベアーで流れてくる食品に、それぞれが決まった加工(タレを塗る、ご飯を広げる、何かを載せるなど)を施す作業を、何種類かしました。1商品を仕上げるためレーンに並ぶのは10〜20人くらい。

「きっと機械の一部になった気分になるんだろう」という私の予想通り、ベルトコンベアーに流れてくるもののペースに操られている気分に。そのペースというのは、

  • ベルトコンベアー自体の速度(作業によって調整はしている模様)
  • 先頭の人がベルト上に物を載せる速度

の2種類。“機械の一部”という感覚とは少し違いましたが、慣れない作業なのに、目の前に流れてくるものに必死に付いていく中で、てんやわんやにもなりかけました。

本来「機械を操る“人間”」という主従関係が、逆転した感覚にはなりました。

 

意外と集中が求められる

上で書いたベルトコンベアーの速度も、物が載せられる速度も、絶妙なペースに設定されているせいで、ひたすら無心・集中が求められました。ぼーっとする暇は全くなし。これは意外な点でした。時間の経過は予想よりも早く感じました。

それに伴って、同じ姿勢を保つことにもなるので、筋肉痛にもなりました。

 

ベルトコンベアーの副作用

工業製品としての食べ物。

ベルトコンベアーの副作用・デメリットの1つは、「食べ物を食べ物として見なくなること」な気がしました。

普段は食べ物を大切にするし、見かけや消費期限も気にせず「食べられる物は食べる」という信条の私ですが、食品工場という場に置かれたら、形が崩れたりした物はポイとせざるを得ません。ベルトコンベアーのペースについていかなければいけないので。本心としてはもちろん嫌だし、「食べられるのに」とは思いますが、そんな気持ちは押し殺して作業としてやるしかないのです。

食品の廃棄もこういう文脈で起こっているんだろうなと想像がつきました。

 

目の前のものにしか責任は持ちたくない。

そして、「ペースについていく」「自分の担当をこなす」ために、細かい見かけや、ましてや「これを食べる人」を気にかける暇など持てません。

「時間かかるのは素材の状態が悪いせい」「この状態で流れてきたんだよ」「このペースじゃこれくらいしかできない」「後で綺麗に帳尻合わせてくれ」と、他力本願というか、自己中心的考えにしかならない。

一日だけ行ったというのもあって、「最終的にどんな感じになる商品なのか」もいまいちわからず作業にあたったので、なおさら「全体のことなど知らん」という気持ちになりました。

 

意外と人の手がかかっている

コンビニなどで売られているお弁当は、いかにも「工場で作りました感」「手作りじゃない感」が味や空気から感じられて、好きではありません。自分で買うことも基本的にないです。

今回働いてみて、広くて明るい空間に、ベルトコンベアーをはじめとする機械が並ぶ場所は「本当に工場だ」と思った一方で、意外と人の手がかかっているんだなとも思いました。

例えばお弁当だったら、白米の大体の軽量は機械がやって1食分が出てくるけれど、その微調整をしてパッケージに入れるところは人がやります。その上におかずを1種類ずつ載せるのも人。

ただ、それをする環境が“工場”で、消毒したゴム手袋をしてやるので、その風味が嫌なんだなあと思いました。

 

食べ物の匂いにやられかける

完全に予想外だったのは、匂い。いろんな食べ物(お弁当類なので、肉や濃い味の物が多い)の匂いが混ざってむわぁっとしていて、なんとも言えない気持ち悪さがありました。加工場の出入り口の前に「嘔吐用バケツ」があるくらい。

作業に集中している時はいいけど、作業の合間に待っている時にはちょっと気持ち悪くなりました。食欲もなくなりました。

多分、特にお腹が空いていない時にお弁当が横にあるだけでも、気持ち悪い匂いに感じると思いますが、それのひどい版みたいな感じ。

 

多国籍な環境

名前や交わされる言葉からして、中国や東南アジア諸国出身と思しき人も結構働いていました。出稼ぎの人もいそうだし、日本で結婚して長く暮らしていそうな人も。ところどころに貼ってある注意書きも多言語でした。

接客など表に立つ職業よりも、こういった工場などには本当に外国出身の人が増えているんだろうなと思いました。

 

経験として、一度でいいから働いてみたいと思っていた食品工場。規模にもよるのでしょうが、私としては、ああいう場所でできている物、特に弁当などの類は支持したくないなあと改めて思いました。もっと人間的でいたい。

買ってすぐ食べられる食べ物がどこでも売られている便利さの裏で、本当に大勢の人が関わってるんだなあとも思った一日でした。

今後また働きに行くかはわかりませんが、このブログのように話のタネにはなるなと思っている次第です。